おかしな日本の教育に対して自問自答する文章
Q1.オームの法則は抵抗と電流の積が電圧になる法則ですか?
A1.定義上はある回路に流れる電流と電位差の関係を示した法則です。その法則に示される値が(電気)抵抗です。抵抗値が一定で電流と電圧が線形になる場合は単なる抵抗と電流の積になります。しかし、温度や電流値の変化によって抵抗値が変化する白熱電球やダイオードの場合はそうなりません。
Q2.速度は距離を時間で除した値ですか?
A2.平均速度の場合は距離を時間で除した値になります。しかし、瞬間の速度を求める場合、速度が変化していれば平均速度とは一致しない為、この通りではありません。定義上は、ある瞬間(一点の時間)における距離の変化となります。これを求めるには、微分の計算を行う必要があります。
Q3.音楽は全てハ長調で何とかなりますか?又、ハ長調が基本になりますか?
A3.音楽の世界はそんなに狭いものではありません。音楽はある音を基準に1.5倍の周波数の音を重ねていく事が大きな起源になっています。それによって出来上がるものが5つの音で出来た音階です。これは日本語ではヨナ抜き音階、英語ではペンタトニックスケールと呼ばれます。この音階を基準に西洋では、リディア旋律やミクソリディア旋律、長音階が誕生しました。余談として、1.5倍の周波数の音を重ねていった音階はピタゴラス純正律と呼ばれます。純正律は音がきれいだけど扱いにくいという理由で生み出されたものが、2の12乗根を半音として定義する平均律です。現代では平均律が使用されています。
Q4.ゼロとレイは同じ数値ですか?
A4.厳密に言えば違う値ですが、実用上は同じ値です。ゼロは全く何も存在しないという意味なのに対し、レイは無視できるほど小さな値という意味です。これらの事からいえる事が大きく3つあります。その1、ある巨大な数の逆数をとった値はレイである。その2、アナログにおいてレイは存在できる。デジタルにおいてゼロは存在するが、レイは存在しない。その3、測定値として0を扱う場合はゼロではなくレイである。
QL.これらは小学生でも簡単に出来ますよね?
AL.仮に出来たとしても、分からなければ意味がありません。自分が小中学校の教師からこれらの間違えた知識を教えられた事が原因で、余計な苦労をした事が何回かあります。もし、これらの自問自答をご覧になった方で、教育者になりたいと思っている方は、これらの事を念頭に置いて、子供たちの要らぬ苦労を少しでも減らしていただければ幸いです。
作品名:おかしな日本の教育に対して自問自答する文章 作家名:Conrad 島太郎