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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 接点 三話

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いつもと変りない表情で家に帰ってきた美樹は美那子の帰りを待って、部屋に入った。

「お母さんどうしたの?」

「ちょっとお話がしたいの、今いい?」

「うん、いいよ」

美樹は芳之から聞いたコンビニのいきさつから、夫から聞いたように話そうと考えていた。

「お父さんがね最近出来たコンビニの親会社と取引があって、挨拶に出掛けたらしいの。その時に経理の人からスタッフの説明を聞いてあなたの名前があったからびっくりしたと言っていたわ。私が話すからお父さんは言わないでと釘をさしてあるんだけど、どうして内緒でアルバイトをしたいと思ったの?」

「なんだあ~、バレていたんだ。人の出入りが多いからそのうち知れるだろうとは思っていたけど、そんなところに接点があっただなんて意外だったわ」

「お金なら言ってくれれば相談にのったのに、言えないようなことに使いたかったなんて言わないでよ」

「お兄ちゃんには話したの?」

「話してないよ」

「お兄ちゃんは知っているの。お母さんと同じように貸してやるとも言われた。けど、返せないし、どうしても2万円欲しかったからバイトをすることに決めたの」

「保証人は誰になってもらったの?」

「おじいちゃん」

「そうだったの。貸してやるって言わなかった?」

「言ったけど、自分の力で稼ぎたいといったらお母さんがいいなら保証人は構わないというから、お母さんがいいならお母さんに頼んでいたって泣きついた」

「もう、孫に甘いんだから。それで理由は何だったの?」

「クラスの友達が妊娠したの。それで仲良くしている5人で中絶費用を負担しようとなって、ひとり2万円と決めたの。相手の男の人が絶対にお金があれば何とかできるって言っているらしいの。友達の親は一流企業の偉いさんだから、バレたら偉いことになる、学校も辞めさせられるって泣くから、考えて親には内緒で中絶するって話し合った」

「そんなことだったの。お母さんは中絶には反対だけど、産んでも育てられないからそれも困るわね。相手のご両親に話して最善策を取るのがいいと思うけど、なんだか危ない感じがして美那子たちがやっていることに賛成できないなあ」