けえきのつぶやき
調べてみれば彼岸花は、その名の通り彼岸に咲く花で、毒を持っているそうだ。
「彼岸に咲く花って、なんか縁起悪いよ」
そう両親は言うのだけれど、縁起の悪い花がどうして美しいのだろう。この際神様に問い質したくなる。何故、美しいものは悪いものなのですか? それとも、悪いものが美しいだけか。
もっと調べてみれば、彼岸花は「天上の花」とも呼ばれているらしい。彼岸に咲く花なのに天上とはどういうことだろうか、と更に調べてみても、それ以上の収穫はなかった。ぼんやりと、悪いものが何故美しいのか考えてみた。神様がいるのなら、何故そんな世界にしたのだろう。
ああ、と答えに辿り着く。
そんな世界になったのだ。
人間は無駄な争いばかりして、花のように美しくはない。美しくはないけど、悪ではない。
悪いものが美しい世界ではない。醜いものが良い世界だったのだろうなぁ、と。