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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 誘惑 三話

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「という事は、おれの子供だっていうのか?」

「それしか考えられないの」

「なんという事だ・・・絶対にバレてはいけないことだぞ。DNA鑑定すると言い出したらどうするんだ?」

「そこまでは言わないと思うけど、美那子が高校生になって本当にはっきりと顔や体付きが私たち夫婦とは違うって感じられるの。特に色が白いから絶対にどちらにも似ていないって解る。こんなことになってどうすればいいのか本当に罪深いことをしたわ」

「おれのせいだな。恨んでいるんだろう今でも?」

「恨んでなんかいないよ。私の意志でしたことなんだから」

「酷く酔っていたんだよ。俺が強引だったから仕方なかったという感じだったぞ」

「自分で招き入れたのよ・・・恥ずかしいけど。酔って断り切れなかったなんて言い訳出来ないわ」

「そうだったかなあ。それでどうしたいと思っているんだ?」

「万が一ね、夫が追及して来たらもう逃げられないから本当のことを言おうと思っているの。ウソ言っても鑑定されたらわかることだしね。あなたの名前は出さないから心配しないで。でも、裁判にでもなったら奥様には判っちゃうかもしれないけど」

「おいおい、頼むよ。そうなって離婚したら責任とってくれよな」

「責任って、お金欲しいっていう事?」

「いや、おれと再婚してくれ」

「ええ?何言っているの・・・それじゃ、最初からそうするために裁判したって思われるじゃない。美那子が精神的に動揺することが一番心配なの。芳之さんに話したいと思ったのはバレた後の事じゃなくて、突然夫や裁判所から突き付けられるよりは事前に話しておいた方がいいと考えたからなの。あくまで私の心配し過ぎなのかも知れないって思うけど」

「そういう事か、誰にも言わないから安心してくれ。でも聞かされると美那子ちゃんを一目見たいって思うな。いけないことかな?」

「そうよね、父親だと思うとそうなるわね。きっと美那子はピンとくると思う。だからそれだけはやめてほしい。約束して?」

「解った。じゃあ美那子ちゃんには会わないから、おれと時々会ってくれよ」

「それって脅迫しているの、まさか?」

「違うよ。久しぶりに会って惚れ直したんだよ。美樹はきれいすぎる」

「芳之さん・・・48よ、昔とは違う」