輝ける未来
輝ける未来 その1
205X年、地球は危機に直面していた。
人口が100億人を突破し、地球そのものが人類を養って行けなくなってしまったのだ。
世界中を襲う食糧危機、人類の科学力はそれを補うまでには至らなかった。
そして始まる食糧の奪い合い……もはや第三次世界大戦の勃発を防ぐ事は出来なかった。
瞬く間に地球の人口は30億に……およそ100年前の数にまで減った。
このままでは人類は滅亡する……誰もがそう考えた時、それぞれの地域で強大な権力を持つようになった7人の政治家達が一堂に会して協議し、戦争を終結させた。
そして生まれた世界政府、トップはかの7人、彼らはワイズ・セブンと呼ばれ、絶大な支持を得た、そしてその支持を背景にして7人の合議制による独裁体制が敷かれた。
「しめしめ、上手く行ったな」
「ああ、われわれ7人が仕組んだ戦争だとも知らずに」
「全く……浅はかな民衆だ」
「地球の人口もこのレベルなら当分安泰だ」
「独裁体制下ならコントロールも可能だからな」
「だが、人間の欲望を甘く見てはいかんぞ」
「確かに……クーデターなど起こされてはかなわんからな……私から一つ提案があるのだが」
残る6人はその提案を聞いて膝を打った。
「「「「「「それだ、すぐにでも実施に移そう」」」」」」
その提案とは、ロボトミー手術。
感情や欲求を抑制し、命令に従順で争う事を知らない人間に作り変えてしまおうと言うのだ。
既に特殊な電波を一時間ほど照射するだけでロボトミー化する技術も確立されていたので、30億人全てに施術する事はさしたる困難もない。
当然、断固反対の声は上ったが、強力な独裁体制の下、30億総ロボトミー化計画は実行に移され、数ヶ月で完了した。
「これで我々の座も安泰だな」
「ああ、我々の子孫だけはロボトミー化しなかったから、孫子の代までワイズ・セブン体制は安泰だ」
「孫子の代までとは控え目だな、『永遠に』だよ」
「ははは、そうだな……」
________________________________________
しかし、地球規模の食糧危機は好転しなかった。
ロボトミー化された人々は命令にこそ従順だが、競争意識がなく無気力。
常に監視され、命令を受け続けなければ働こうとはしなかったのだ。
あらゆる感情と欲求を抑制された人類は、生存しようとする欲求まで失い、バタバタと飢餓に倒れて行った……。
205X年、地球は危機に直面していた。
人口が100億人を突破し、地球そのものが人類を養って行けなくなってしまったのだ。
世界中を襲う食糧危機、人類の科学力はそれを補うまでには至らなかった。
そして始まる食糧の奪い合い……もはや第三次世界大戦の勃発を防ぐ事は出来なかった。
瞬く間に地球の人口は30億に……およそ100年前の数にまで減った。
このままでは人類は滅亡する……誰もがそう考えた時、それぞれの地域で強大な権力を持つようになった7人の政治家達が一堂に会して協議し、戦争を終結させた。
そして生まれた世界政府、トップはかの7人、彼らはワイズ・セブンと呼ばれ、絶大な支持を得た、そしてその支持を背景にして7人の合議制による独裁体制が敷かれた。
「しめしめ、上手く行ったな」
「ああ、われわれ7人が仕組んだ戦争だとも知らずに」
「全く……浅はかな民衆だ」
「地球の人口もこのレベルなら当分安泰だ」
「独裁体制下ならコントロールも可能だからな」
「だが、人間の欲望を甘く見てはいかんぞ」
「確かに……クーデターなど起こされてはかなわんからな……私から一つ提案があるのだが」
残る6人はその提案を聞いて膝を打った。
「「「「「「それだ、すぐにでも実施に移そう」」」」」」
その提案とは、ロボトミー手術。
感情や欲求を抑制し、命令に従順で争う事を知らない人間に作り変えてしまおうと言うのだ。
既に特殊な電波を一時間ほど照射するだけでロボトミー化する技術も確立されていたので、30億人全てに施術する事はさしたる困難もない。
当然、断固反対の声は上ったが、強力な独裁体制の下、30億総ロボトミー化計画は実行に移され、数ヶ月で完了した。
「これで我々の座も安泰だな」
「ああ、我々の子孫だけはロボトミー化しなかったから、孫子の代までワイズ・セブン体制は安泰だ」
「孫子の代までとは控え目だな、『永遠に』だよ」
「ははは、そうだな……」
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しかし、地球規模の食糧危機は好転しなかった。
ロボトミー化された人々は命令にこそ従順だが、競争意識がなく無気力。
常に監視され、命令を受け続けなければ働こうとはしなかったのだ。
あらゆる感情と欲求を抑制された人類は、生存しようとする欲求まで失い、バタバタと飢餓に倒れて行った……。