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舞いたけたけ
舞いたけたけ
novelistID. 49775
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ガチクズニートで異(ブラック)世界転生

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エピソード1 働きたく無いです

「働きたくねぇ…」

彼の名はケイヤ。ニートである。

「てかさ、何で働きたいんだよ…」

職歴、学歴、彼女全てにおいて何も無い。

「ポテチ食ってネットでエロ動画探して食って寝るだけの生活の何が悪いんだ?」

彼の日課はそれである。日中に寝、夜起き、エロ動画を漁る。これだけである。

「そもそも、俺底辺じゃん。働いたら働いたで意味もなく殴られたり、クズ呼ばわりされるだろ………めんどくさ…………」

彼は独り言も日課のようなものである。しかも、それら全てが自身を正当化するための言い訳に過ぎない。

「そもそも、働いてもさ、税金税金うるせぇし、どうせ、俺の取り分も他の優秀な奴等がしゃりしゃり出てきて、全部かっさらうんだろ」

彼自身、最初からこうだったワケではない。良い大学を、目指し、必死になった時期もあった。しかし、結果は惨敗であった。

「ハァーめんどくせ…ゲームすんのも漫画読むのもパチンコとか、何それ…」

彼の両親は共働きである。実際彼もそれほど金には困っていなかった。しかし、逆にそれが裏目に出てしまっていた。

「だりぃよ…ハァーぁ…エロ動画でも漁るか…」

彼にとって、一番の至福の時間である。

「ハァー…可愛い彼女欲し………おほっ………ユリカの新着きてんじゃーん。」

ユリカ。今人気の爆乳avアイドルである。その爆乳ぶりはほにゃららら…

「ハァー…こんな娘がそばにいてくれたらなぁ_」

彼には出合いもない。

「おいおい、俺以外のあそこしゃぶってんじゃねーよ。くそがうらやま。」

そう言いつつも彼はパンツをずり下ろした。

無気力感、脱力感、やる気0。そう、これこそが彼である。

「あー抜いた…抜いた…おっとこっちのも中々…」

そして彼はそのまま眠りこけてしまった。

エピソード 2 職歴は?

「……………は?」

…………なんだ…体がおめぇ…………なんだ………これ………

「しょ……………は?」

なんか、いる…………?人か………………?

「職歴は?」

真っ白な空間。そこに男が一人立っている。

「だれ…………だ?」

「職歴は?」

痩せ細った体に痩けた頬。白髪にメガネをし、厳ついしかめ面をした男が立っている。

「いや、誰だよ…………ワケわかんねぇし、職歴…?何言ってんだ?んなもんねーよ。」

「職歴無いんだな。クズめ。」

吐き捨てるように男が言う。

「働いてなけりゃクズかよ…………」

「あぁ。クズだ。…………今から貴様が選らばざるを得ない道を指し示す。…………ここが空いているか…」

「はぁ………ここどこだよ………」

「クズの質問に答える義務はない。」

その瞬間だった。ケイヤの足元に黒いブラックホールのようなものが現れ、ケイヤを一瞬で引きずり込んだ。

「クズにお似合いだな………」

白い空間の中、男はほくそ笑んだ。

エピソード 3 異世界転生したようです

一面に広がる青空。木々の緑は日の光を存分に浴び、目映い輝きを放ち、風は優しく微風を奏でる。それに合わせるかのように小鳥が囀ずり、動物達がそれに合わせ踊るかのように軽快な動きを見せる。

「はぁ…………」

しかし、彼の目はそれら全ての生命を奪うかのようなどんよりとした「死んだ目」をしていた。

「いや、ここどこだよ………………辺り一面森過ぎんだろ…てか、まじで…………森過ぎんだろ…………」

彼にはこの大自然が森にしか映っていないのだ。

「………いや、森だろ…………これは…なんかで読んだことあるな………こいつは……異世界転生ってやつか……いや、何で俺…………?ってことはなんか、あるなこれ…」

「アニキィイ!なんか、変な奴いまっせ!」

「どうしたぁ!キョウダイ!なんだぁ!てめぇは!」

この二人は、屈強な盗賊である。

「ほーらやっぱりこんなんあるんだよなぁ…」

「おい、あんちゃん、身ぐるみ剥いで持ってるもん全部よこしな」

「そしたら、命は助けてやるってか」

ヘラヘラ笑うように言う。次の瞬間だった。ケイヤは自分のお腹に熱い何かを感じ取った。

「えっ…………い、いだい…………?え?え?え?いだい!アァアアアアア!いだいいだいいだい!アァアアアアア!アァアアアアア!血!ぢ!ぢ!ででるぅうう!アァアアアアア!」

「おい、あんちゃん、俺はよぉ、ヘラヘラした奴が殺したくなるくらい大っ嫌いなんだ。」

盗賊(アニキ)のナイフがケイヤのお腹を突き刺していた。

「アァアアアアア!なんで!アァアアアアア!異世界きたら!きた奴が最強なんだよ!アァアアアアア!」

「アニキィ。なんか言ってますぜ。」

「てめぇみたいな、よわっちい奴が最強なワケねーだろ。」


「アァアアアアア!血が!血が!血!いだいいだい!いだい!誰が!たずけ………死……………」

「…………死んじまった…ずらかるぞ!」

「ハイィ!アニキ!」

美しい大地の上にケイヤの赤い血がドロドロと流れ続けた。

エピソード4 不細工悪魔と契約とありがた迷惑と

「ヘッヘッヘ…良いねぇ。良いよぉ。素晴らしい!」

「な………んだ…………」

意識が朦朧とする中、微かに声が聞こえる。

「だ…………れ…………」

「ヘッヘッヘ!助けて欲しいかぁ?んん?ヘッヘッヘ!ギヒッギヒッギヒッ!こんなに傲慢で腐った血を見るのは久しぶりだよ!ゲヘヘヘヘへ!前に憑りついたグズ以来だ!!」

気味の悪い笑い声だ…………なんなんだこいつは……てか、不細工過ぎんだろ…………

「グヘヘヘヘ!力が欲しくないか!人間!ギヒッギヒッギヒッ!俺を助けてもらった「お礼」をしてやりたくてたまらないんだ!なぁ良いだろう!」

何のお礼だって………

「ギヒッギヒッギヒッ!助けてやるよ!俺に憑りつかれろ!人間!ゲヘヘヘヘへ!お前は俺と同じ匂いがする!ギヒッギヒッ」

「誰がテメーみたいな不細工やろーに………」

「ゲヘヘヘヘへ!良いぞその身を脇構えない態度!大好きだ!ギヒッギヒッギヒッ!力を貸してやろう!礼はいらんぞ!もちろん、契約代償は貴様の命だがな!」

ケイヤの体を黒い霧のようなものが包み込む。

「……………クズクズうるせぇし………人の話聞かねぇし…殺されるし………めんどくせ…………」

次の瞬間、ケイヤの体に稲妻に打たれたかのような激痛が走った。

「ゲァアアアア!……………いってぇし…わけわかんねし…いきなりだし…ぶっちゃけ死んだ方がましじゃね………」

ケイヤの体は完全に治り、それどころか先ほどよりも躍動感が増していた。

「さて、始めるか」

ケイヤはとりあえずそれっぽいことを独り言のように呟いた。

「キャアアアアア!」

女性の悲鳴が森全体に響き渡る。

「………西の方角か!丁度良い。悪魔の力どんなもんか見せて貰うか…」

ケイヤは声のする方角。東の方へ走っていった。

エピソード5 え、また死ぬ?マジで?

「ギヒッギヒッ!」

「ねぇ、俺の中で笑わないでくれない?気味わりいんだよ」

ケイヤの頭の中には不細工悪魔の声がはっきりと聞こえていた。