『真夏日・カナのスクーター・廃工場の灰羽達』 【灰羽連盟】
(九)
それから夜は更け——
喧噪に包まれていた廃工場の明かりが消え、灰羽達は眠りにつく。
夏を迎えた初日、カナの一日はこうして終わるのだった。
(まあ色々あった日だったけど、廃工場もいいもんだな——)
カナの意識はゆっくりと、安らかな眠りの世界に赴いていった。
灰羽ってなんだろう。
それが分かる日が来るかどうかはともかくとして、グリの街の灰羽達は今、こうして幸せに暮らしている。
<了>
作品名:『真夏日・カナのスクーター・廃工場の灰羽達』 【灰羽連盟】 作家名:大気杜弥