「美那子」 初体験 三話
「お兄ちゃんは美那子が男の人とエッチすることはどう思うの?まだ早いって思っているかも知れないけど、静子も経験しているし、好きになったら恋愛ってそういう事をするものだと思うし、年齢とかは関係ないよ。クラスの男子だって私が好きになったらきっと触ってくると思う」
「おれも体験が無いからよく解らないけど、女の子は妊娠するし、まだ中学一年のお前が本気になって相手を好きになったとしても、気持ちだけにしておく方がいいと思うけどな」
「そんなにいけないことなの?早いって何を基準に言うの?妊娠しないようにすればいいことじゃないの?」
「男と女は違うっていうことぐらいしか言えないよ。お母さんに聞いてみればいいよ、美那子のためなら親身になって話してくれると思うから」
「聞いたよ。反対された。違う理由でね。私もお母さんも女という部分では同じだと感じた。お兄ちゃんのことを好きなったのは美那子のことをいつも真剣に考えてくれているから。それに静子にも言われたけどカッコいいこともある。兄である前に理想の男子であることが一番の理由。だからそれ以上の人が現れない限り恋愛も結婚も出来ないって思う」
「美那子も大人になればだれもが振り向く美人になるよ。今でも可愛いけどな。おれが他人だったらとっくに交際を申し込んでいるよ。お前と同じでそれ以上の可愛い子が現れない限り恋愛をしたいとは思わない。性欲が無いわけじゃないけど、美那子と一緒に居るだけで幸せだし、それでいいんだよ、本当に」
「お兄ちゃん・・・」
美那子は泣き出した。
秀一郎は後ろから背中をそっと抱きしめた。
そして振り返った美那子の唇に自分の唇をそっと合わせた。
ぎこちないキスだったが、しばらくの間そのままにしていた。
美那子にとっては身体ではなく心の、いやすべての自分の思いを感じ取ってもらえた、いわば女として大切な初体験をした。
それは秀一郎にとっても同じことが言えた。
二人はこの後大人になってそれぞれが結婚するまでキスだけの関係が続いた。
美那子の身体を想像しながら秀一郎は射精し、秀一郎の思いを感じて指で弄ぶ美那子はやがて絶頂感を得るようになっていた。
バージンでありながら美那子は強烈な色気を放つ女性へと成長してゆく。
作品名:「美那子」 初体験 三話 作家名:てっしゅう