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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第三十六話

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「お久しぶりですわね内藤さま、そして梓夫人も」

「そうですね。日本へ帰ってこれたのにゆっくりできないことが辛いです」

「ママ、お元気そうで安心しました」

「梓さん、ありがとう。私は相変わらずだわ。そうそう、さっそくご紹介しますね」

ママはそう言って元自衛官を三人の前に連れてきた。
彼は名前を伏せて欲しいと前置きして、当時現場で救出作業をしていたことを明かした。

「内藤さま、梓さま、平山さんにお話しましたように所属駐屯地の上官が話していた会話を覚えていることで申し上げたいと思います」

「ありがとうございます。上官というのはどの程度の方なのですか?」

「当時私は25歳で2等陸曹でした。上官は1等陸尉だったと思います。話していた相手は部下の2等陸尉だったと思われますがはっきりとは言えないです」

「そうですか。構いませんよ。どんな話しの内容だったのでしょう?」

「ええ、自分たちが救援に駆け付けたときに生存者は4名だったけど、早くに航空自衛隊が一人の女の子を救出したらしいと噂があるが、聞いたことはないか?と2等陸尉に話しました」

「ここに居る梓の事ですね。なぜ彼はその情報を知っていたのでしょうね?」

「わかりません。後にその話はどうやら真実ではないらしいと部内では広がりました。私が同僚に話したので広まってしまったのでしょうね。その時はやっぱり噂だったのかと思い気にすることは無かったのですが、平成に入ってその上官が退官した時に送別会をやったんです。私は別の駐屯地で1等陸尉になっていましたが、なぜか上官は探して呼んでくれたんです」

「そうでしたか、わざわざ探して呼んでもらえたという事は何か話したかったのでしょうね」

「そうだと思います。お酒が進んで私と上官は向かい合って座るようになり、覚えているか?と切り出したんです。墜落事故の事だとピンときました。自分が盗み聞きした話を広めてしまったことを叱られるのかと思ったのですが逆でした」

「逆?という事は嘘じゃなかったと告白したのですね?」

内藤と梓はじっと相手を見つめた。



*次回が最終回となります。