出来れば今日!
「これ…何」
テーブルの上に置かれた<黒い箱>。
その中には<なにか>が入っていました。
── 言語化出来ない色と形状のものです。
何故か視線を逸らす事が出来ない私。
同じ様に<なにか>を凝視している紀湖に訪ねます。
「植物の種?」
「芽みたいなのが、出てるよねぇ」
「卵??」
「そんな感じもするけど…」
ノロノロと左手を上げた紀湖は、顎を押す事で無理に<なにか>から視線を逸らすや否や、素早く箱を閉じました。
「中毒性があるのか…いつまでも見入ってしまうんだよねぇ」
「そんな危険なものを、私に押し付ける訳?」
「だからこその、迷惑料」
「…」
「で、どうする?」
当面の7万円が必要な私には、声を絞り出す事しか出来ません。
「判った、引き受ける。。。」