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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第三十二話

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与党の控室で手順の説明を受けた内藤は、テレビ中継が無いことに不満をぶつけた。
理由の説明に納得できないことで、梓と共に審議には出席しないと伝えた。
官房長官は困った表情で何度もそれは困ると言うので、今からでもマスコミに伝えて中継が出来なければ議事堂の外にいる記者たちを呼ぶと返答した。

「内藤さん、何度も言いますが裁判の審議中は裁判にかかわる証言や証拠物件は公には出来ないんです。法務大臣にお願いして今回特別に許しを得て今日の審議となった経緯をご理解なさってください」

「官房長官、私は父親をこの事件の裏側で隠ぺいしたとされる組織に拉致され、いまだに行方不明になっています。国会中継を見た人の中に父親の消息を知っている人からの連絡があるかも知れないという期待を持っています。ですから、中継が無いのならこのままテレビ局へ向かう方が得策です。そうさせてください」

「それは困ります。野党に対して申し開きが出来ません。それに、裁判中の案件はテレビ局も知っていますから取り合ってはくれませんよ」

「そうですか。では85年の墜落事件以外で私と梓への暴行及び未遂事件のことをマスコミに公表させて頂きます。こちらに関しては証人もおりますので同席して発表したいと考えています。ですから、今日の審議は出席いたしませんので、総理にもそうお伝えください」

「内藤さん、そのようなわがままを言われては困ります。我々は今日の審議のために与野党内の調整をして、準備を徹夜でやって来たんです。国会での審議をお望みだったのではないのですか?」

「官房長官、もう一度言わせて頂きます。国会は国民に開かれた場所でなければなりません。中継や取材拒否は個別の委員会では通用しますが、通常国会の審議では特別な事例を除いてあってはならないことです。違いますか?」

「ですから裁判中の案件で非公開とする決定をしているのです。野党もそのことは了承済みです。テレビ中継にこだわる理由はお聞きしましたが、まずは審議を始めて真相が明らかにされることが肝要かと思われます」

「審議をしなくても証拠は十分です。それは裁判でも明らかになるでしょう。ただし判決は保留になる可能性があります。相手が国と米軍ですからね。そして訴訟そのものが審議拒否になったら行き場を失います。そうならないためにも国民がこの国会中継を見て真実を知って欲しいんです。それでも控訴棄却になったら裁判所に対して、そして内閣に対してどう判断が下るのかという事だと思います」

「総理を呼んでまいりますのでしばらくお待ちください」