愛の投影
うぶなはたちのときの
ちっぽけな出会いの愛を
いつまでも心に温めてこれたのは
まさしく自分の胸の内に潜む
わが青春への投影そのもの
若いときの自分には夢があった
病弱だったけど前向きに生きていた
丁度その時タイムリーに
現れた男がいて
今まで無縁だった男の匂いを感じた
それが私のこれまでの思いの
主たるものではなくて
その思いが自分の若き日を
彷彿する芳香を呼び戻した
その出会いのことを思い出す度に
その場には主体の若い自分がいる
若くて可愛いかったかつての自分が愛しいのだ
そういう分析によって
これまで引きずってきた思いは
過去の自縛だと今になって分かった
果たしてそう思うことが良いのか
それとも夢を破壊することになるのか
老いへの道連れに一つぐらい
熱いものを持って行きたい気もする