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立夏ましろ
立夏ましろ
novelistID. 29230
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扉 田舎暮らし

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2020.10.15

  思い出の場所

金木犀思い出の場所忘れることの幸せ
スカーフがわずかな風になびいて
金木犀の香りを運んできた
まだ草枯れが始まらない青い草を踏んで
先ほどから並んで歩いた

何も変わらない
何もない
変化が嫌われる
ただかわり映えしない日々

思いっきり叫びたい
もう「イヤ」
忘れることの辛さと悲しさ
そして難しさ

みんな遠い昔の思い出
心の私に語る「私この田舎を出たい」

つないでいた手を離したとき
あの人は私の心を知った
思い出なんか忘れること

この道を歩くと
遠い昔のことがよみがえる
別れた日と同じ金木犀の香りが漂う

過ぎた日々の記憶を消す
思い出は語らない
香りだけが風に舞う


改ページ>

2020.4.19

風おくり
そんな古い行事が残ってます
夏風に吹かれて
小川を麦で編んだ船に乗り
小さな神様がユラリ、ユラリと
人々の健康と豊作を祈りながら
各水田を周ります
青空がお化粧をして
五穀豊穣を祈ります

作品名:扉 田舎暮らし 作家名:立夏ましろ