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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「熟女アンドロイドの恋」 第二十八話

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「内藤さん、お守り袋に入っていたメモというのは本当なのですね?万が一にも偽造とかの疑いがあれば許しがたいことになりますよ」

「これだけは言っておきます。私の父親は行方不明です。お守り袋に何が入れてあるのかも聞かされてはいません。肌身離さずに持っていることから今時珍しいと考えて気になって中を見たんです。もしこの情報から父が誘拐先から見つかったり、誘拐した犯人が判明したら国家賠償を請求します。墜落事故の遺族会裁判とは関係なく単独で行います。もちろんマスコミの取り上げ方は想像出来ますがね」

「それは私たち日本政府関係者に対する脅しですか?」

「脅しではありません。あなたたちの関係する誰かがやったことでしょう。闇から闇へ葬ってそのようなことはありません、と通せばよろしいのではないですか?」

「何ということを言われるのですか。我々はテロリストではありませんぞ。今言われたお父様の誘拐や万が一にも殺人が行われていたとするなら、徹底的に警察が調べて犯人を検挙するでしょう。とにかくメモの内容を教えてください」

内藤がお守り袋の中から見つけたメモは父親の字で書かれていたことは間違いが無かった。大きくなって父の残した筆跡を知っていたからだ。
大使とエイブラハムの前にしわを伸ばしてそのメモを見開いた。

『肇、これを見るという事は私に何かあったという事だな。寿命じゃなければ多分殺されているだろう。枇々木浩介というジャーナリストから教えてもらった情報だ。アメリカ軍は河口湖から少し北に入った場所でイスラエルに秘密で受け渡す核弾頭を保管している。はっきりとは分からないがお父さんは調べるために出かけてくる。妨害があるかも知れないので、何かあったらお母さんのことよろしく頼むぞ。

義男』

「大使、このメモを残して父親は出かけて、あの事故現場で梓を救います。私たちは出会うべくして出会ったのです。メモの内容を私は直ぐに日本にいる墜落事故遺族会の責任者へ連絡して、川口湖周辺を捜索させています。ジャーナリストの臭いをかぐ能力に期待していますよ。まもなく場所と何らかの目撃証言を手に入れることと思います。もちろんその時はアンドロイドが向かいます」

「そのメモだけではお父様が拉致されたのかどうされたのかの判断は難しいですよ。たとえお二人が裁判に出席されても確たる証拠が出されない限り、控訴棄却でしょう。アメリカ軍の当時を知る兵士が、私がやりましたとでも名乗り出れば別ですがね」

「では、私と梓が日本で行われる訴訟に証人として出席するお許しをください」

「それは日本政府の判断で私が出来るわけじゃない。そんなことはお分かりになるでしょう?」

この後内藤は反撃に出る。