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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「熟女アンドロイドの恋」 第二十三話

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「いじわるを言わないで下さい。梓さんはご結婚されていろんなことに敏感になられたみたいですよ」

「それは褒めてくれているのよね?でなきゃもう口きかないから」

「もちろんですよ。それより早く実験を見せて頂けませんか?」

ストリーツカはまだ未完成だと断って中の一台に前回使用した自分の記憶プレートを差し込んだ。
AD-1に比べて細身になった人型ロボットは、バイオ素子と記憶プレートを繋ぐ中央演算処理システムに大幅な改良が施されていた。

一時間以上かかった正常な作動は10分程度に縮まっている。
そのことにも驚かされたが、何と言っても会話がストリーツカとまさに話しているように感じられたことだった。

「ストリーツカさん、でいいのですよね?」

エイブラハムはそうAD-2に話しかけた。

「正しくはAD-2ですよ」

そう言い放ったのは傍に居たストリーツカ自身だった。

「知らない人が聞いたら、どちらが人間でアンドロイドなのか判断できないぐらい素晴らしい出来栄えですね」

「音声回路も改良しましたし、何と言っても人工関節の出来栄えは格段に前回のAD-1より進化していると思います。
ちょっと激しい動きをしてみてくれないか?AD-2」

若者たちがやっているようなダンスの仕草を始めた。関節の動きはほとんど人に近い。指先の動きも手袋をしていればロボットだとは思わないだろう。
顔の表情だけは人工皮膚の開発が遅れていて無表情になっている。

目を丸くして見つめていたエイブラハムが内藤につぶやく。

「内藤さん、ここまで来たのですね。あなたの技術は最高です。アメリカ軍はもう少しで最強のアンドロイド部隊を手に入れることが叶いますね」

「いや、外側はストリーツカさんのテクノロジーだから二人で築いたという感じがするよ。ボクとしては平和的に使われることを願うけど、考えようによっては危険なものを開発してしまったとも思える。どんな兵器も使用する側の悪意が込められてはいけないね」

「言われる通りだと思います。アメリカ国が世界平和のためにこのアンドロイドを利用するように進言したい。ところでこの後に日本大使館へ行くのですが、ご一緒されませんか?」

エイブラハムは予告なしに内藤と梓を誘った。