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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「熟女アンドロイドの恋」 第二十一話

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ストリーツカの意識を移植したアンドロイドロボットはAD-1と名付けられた。
アンドロイド一号という意味だ。
傍で本物のストリーツカも話が出来るという実に不思議な体験も可能にしている。

気恥ずかしいのかAD-1は自分自身に話しかけることをしない。
エレベーターに乗って階下へ降りる時もゆっくりとだが開閉のスイッチを操作して、一階の扉からロビーへ出た。
注目の一瞬である。

職員たちの奇異なまなざしが集まる。
開発のうわさは社内で広まっていたので特に驚く様子ではなかったが、話しかけてきたのがストリーツカその人だったので、対面した職員たちは言葉を失っていた。

まだ動きそのものが人とは違うロボットだったが、倉庫の一部に作られた射撃演習場ではあらゆる種類の銃を正確ではないにしろ撃つことが出来た。
指先の動きをより緻密に仕上げれば対戦型兵士として少し訓練すれば十分な感触を得られた。
二足歩行に関してはバランス機能を向上させて駆け足で動ける程度に各部関節を柔軟にする工夫が望まれた。

実験室に戻ってきて、記憶プレートを抜き取るとロボットの電源は停止した。
このとき自分の指先でスイッチを押す必要があった。教えられているプッシュ方法で押さなければカードを抜き取ることが出来ない。
無理やりプレートを抜き取るとデータはすべて消去される。

「内藤さん、今日は素晴らしい体験が出来ました。未知の出来栄えに驚かされるばかりです。これならボディの開発さえ進めばアメリカ軍の要請通りにアンドロイド兵士が供給可能です。今後の問題点を更なる実験を通して早く完成させましょう」

梓が冗談交じりに話す。

「女性型を作って頂ければ、私も体験してみたいと思うわ」

「それは別のビジネスに繋がるかも知れませんね。同時進行で開発させましょう」

「楽しみにしていますわ。皮膚の感覚も味わえると最高なのですけど、兵士たちには必要ないことですね」

「痛み以外の感触を体験できればより操作感覚は高まるので、将来への課題だと考えます。私の体感ではもっと早く動けるようにならないと実戦では困ることになると思います。それはロボットの性能という部分と、意識を伝えるという部分に今一つの一体感が欠けることの解消が急務です」

「ストリーツカさん、バイオ素子は成長するんです。なので訓練を積めばより一体感は増すと考えられます。次回の試作品では長期のランニングテストを実施しましょう」