如何なる存念
-後日、森柴家の本城 -
広間で盛大に行われる、戦勝の宴。
上座の席から籐吉と小一と孝高は、飲み騒ぐ兵たちを上機嫌で眺めていた。
「兄者と孝高殿の策、見事当たりましたのぉ」
「籐吉様の決断と、小一殿の見事な兵の差配の賜物かと」
「なんの。成功は、孝高殿の交渉力 あってこそじゃ!」
「おみゃーさん達の働きで、戦らしい戦もせず 兵を殆ど損ねず 砦も1つも失わず、逆に2つ増やす事が出来たで。」
空いた孝高と小一の盃に、籐吉は順番に酒を注いだ。
「殿からのお酌とは、忝ない事で」
「おお、兄者。すまぬな」
「この3人がおる限り、森柴家は安泰だて!」