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化粧
INDEX
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私は化粧をします。
化粧は何も自分をよく魅せるためにするのじゃない。
前の女の匂いを消すこと。
上書き保存します。
丁寧に隅々まで、彼に私の匂いをつけていく。
消えた?いいえ、まだです。
女の匂いというのは、お風呂に入ったくらいじゃ消えないのです。
耳の裏
髪の毛の隙間
口の中まで
もっと私を知ってほしい。
今こうして抱き合っているのは、離れたくないからじゃない。
離れたときに私を思い出してもらいたいから。
忘れてほしくないから。
だから私は化粧をします。
作品名:
化粧
作家名:
月とコンビニ