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逆行物語 第六部~エーレンフェストの女達~

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エルヴィーラ視点~フェルディナンド様はバイシュマハート~



 アウブが座っていた(押し倒されていた)長椅子の前の机には、良く見ればお守りとおぼしきモノが幾つかございました。
 男性は女性と違い、装飾する意味も無いので、殆どが衣類に隠れる様に装着するモノでございました。ローゼマイン様と違い、かなり皮を剥かなければ(服をひん剥かければ)、装着出来ないでしょう(今は服を整えています、私の目があるからでしょう)。
「ああ…、それで…。」
 フロレンツィア様が疲れた様に、額を押さえます。私も理解しました。つまり先程の卑猥な誤解を招くやり取りは…、

 「あっ、やめっ、フェルディナンド!=幾数分の凶悪なお守りを勝手に着けようとするな、フェルディナンド!」

 「ああっ、激し、魔力、流すなっ、」←無視したフェルディナンド様がお守り装着の為に、恐らく兄弟の無遠慮から大雑把に魔力を流した。

 「そんなっ、大きい(凶悪効果)の(お守り)、ダメっ=着けるな、壊れる(ちょっと悪ふざけで肩を叩かれた程度で発動後、周囲が)っ、」

 「心配する必要はない=被害を受ける者・物は気にするな。(だから)私に任せておけ。」

 と言う事でしょう。視認していれば誤解の可能性にも気付かないでしょう。
 …しかしそもそも、アウブのお守りは普通、フロレンツィア様が用意する物です。そうでないならヴェローニカ様でしょう。しかも身体に直接触れるなら、アウブの側仕えに装着させるのが普通です。
 …フェルディナンド様、貴方はバイシュマハートですか?

 往々にして全ての神に祝福された才はカーオサイファにも祝福されているのだ、と言う言葉が頭に巡った邂逅でございました。

 余談になりますが…。
 ヴィルフリート様が後にデフォルメ絵物語を描きました。デフォルメとは特徴だけ掴んだ大雑把な絵、と言う意味らしく、文字を読むのも苦手な者には随分喜ばれました。何故なら一切文字がございませんでしたから。
 その架空の物語で、フェルディナンド様らしき人が実の兄に初ラッフェルを感じていて、実る事等無い苦しみから逃れる為、また何も知らない兄からの婚姻の勧めを交わす為、神殿に入り、そこでシュミルに初ラッフェル毎受け入れられ、2度目のラッフェルが実り、還俗し、フォルスエルンテを待ち侘びる話でしたけど。実兄はアウブに似ていましたねぇ…。
 もっと余談ですが、ヴィルフリート様は“父上の悪評を事前に防いだだけです”と申されて、アウブが崩れ落ちたそうです。

 ………印刷関連業は私の実家と中立派のギーベが、衣類系統や料理のレシピ開発はローゼマイン様ご自身が行い、印刷業に必要になる、樹木回復魔術具開発をヴェローニカ派、いえ、アウブ派が行う事になりました。
 派閥融和に従って下さる者達には積極的に業務を廻し、そうでない者達には(主にギーベ・ライゼガング中心)、何とヴィルフリート様が懐柔に廻りました。
 正直、人選に難があるのでは、と思いましたが、食糧庫としての自尊心や役割を奪われる可能性を見せ付けた上で、ライゼガングの周囲から懐柔を計り、孤立させ、ライゼガングが屈した処で鮮やかに掌を返されました。
 ライゼガングの若い世代は、直接の確執も少なく、時代の変化を受け入れてましたから、ヴィルフリート様を固く拒否していたのはそれなりの年代からでございます。
 若い世代が力を合わせ、上の年代を黙らせた後、洗礼式を迎えるシャルロッテ様に半分引き継がせる形を取る様でございます。恐らくメルヒオール様が洗礼式を迎えたら、もう半分を引き継がせるのでしょう。
 次期アウブとして、素養処か実力を叩き出したヴィルフリート様。“流石はフェルディナンド様のご指導”と評判を流して置きました。
 ヴィルフリート様の城での前評判は良くありませんでしたから、そちらの方が優秀であると印象付け易いのです。

続く