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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第十六話

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「内藤さんご自身はアメリカ軍の発射した訓練用ミサイルで民間機が墜落したとお考えなのですね?」

内藤は大きく頷いて答える。


「そうです。しかし、直接の原因はコントロールが利かなくなった機体を緊急着陸させたいと厚木基地に申し合わせたことを拒否されたことにあります。
重要な訓練中ですぐには許可できないと聞かされて機長は進路を変えました。その後に全くコントロールが利かなくなり墜落しました」

「アメリカ軍は緊急着陸させて原因を調べられることを嫌ったというわけですね。そして、墜落後すぐに自衛隊員に証拠品を回収するように命令した。ここには日本政府も関わっていたということですね?」

「よくご理解をして頂けましたね。その通りです。機長から機体の状況を聞かされていた厚木基地の責任者は、一刻も早く着陸しないと墜落してしまうと直感しました。それなのに許可しなかったことで、後日アメリカ軍関係者の中からも不信感を募らせる人間が居たんです。その人が父に会おうとしたのですが、その矢先に父は行方不明となりました」

「お父様は記者だったのですね。そして偶然にも事故現場近くに居合わせていた。そのことが不幸を呼ぶ結果となってしまったということが分かりました。
裁判で生き残りの梓さんを出廷させ、内藤さんのお父様の遺稿を公開するということで、単なる遺族の原因究明訴訟を超えて、マスコミと世間の関心を集めることとなりますね。そののち何を求めて行かれるのかお聞きしたいです」

「謝罪はもちろんですが、父を誘拐した犯人の引き渡しと、父親を返してもらうことが目的です。もし、不幸にも父が殺されているとしたら、私の研究は日本へは絶対に渡すことを拒否します」

「強い決意ですね。日本と我々は強い結びつきではありませんが、アラビア国の後ろ盾を得ればものが言えると考えます。
現国王は私と血縁関係にはないものの、妻は王族の娘ですからそちらから今回の話を持ち込んで一つの提案を出させましょう。それは国王の訪日に合わせて内藤さん夫妻を同行させるということです」

「私たち夫婦をどのような理由で同行させると言われるのですか?」

「アラビア国とニューイスラエル発展に大きく寄与している日本人ということで、観光案内を兼ねて同行させるとでも言えばいいと思います」

「内藤は国外追放されているので入国は許可できないと返事されたらどうしますか?」

梓が国王を見つめて尋ねた。