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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第十四話

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内藤が示した条件の返事を持ってストリーツカは再びニューイスラエルへやって来た。
エイブラハムも同席する中で、会談は行われた。

「内藤さん、お待たせをいたしました。こちらが本国の回答文書になります」

「ありがとうございます。では、読ませて頂きます」

英語で書かれた文章を内藤と梓は読み始めた。
専門用語の意味を確認しながら2ページにわたる簡単な回答書を読み終えて、しばらく黙っていたが、梓が先に口を開いた。

「私たちは85年の事故の真実を忘れ去ることは出来ません。夫は自分に託された使命を命がけで守ってきました。どのような寛大な措置であっても日本でわたくしが出席する裁判が行われないのなら意味が無いのです。
そのことはエイブラハムさまもよくご存じのはずです。
この回答書ではそのことに触れられていません。どうしてなのでしょうか?」

「梓さん、これは我々が対応できる限界なのです。内藤さんの研究は素晴らしい成果だと考えております。アメリカ本国でその完成を実現して、実戦配備が出来るようになれば、その時に日本政府へ交渉をしましょう。日本にだって是非に欲しい技術でしょうから、苦渋の判断にはなるでしょうが十分に交渉の余地はあると確信します」

内藤が意見を言う。

「研究の臨床段階で世界中に私の技術のことは知れ渡るでしょう。その時点で各国からの技術供与に対してアメリカ軍部はノーという答えになると思います。
ストリーツカさんは本当にアメリカ軍が日本に対して完成したアンドロイド技術を渡すと考えているのですか?」

「日本国が内藤さんの入国拒否を解除すればいつでも帰国が叶います。我々はそれを引き留めることに強制力はありません。ただし完成した技術のほとんどは我社のパテントであり、無断で使用することはいかなる国家でも不可能です。そのことは我々が最大限の投資をしていることをお考えいただければ理解できるはずです」

「日本はアメリカと安全保障条約で強く結ばれています。最大にして最強の兵器を購入することはいたって簡単でしょう。そう考えればわざわざ私を帰国させることなど意味が無いと考えます。すなわち、私はストリーツカさんの工場で研究を完成させ、出来上がった技術を貴社がアメリカ軍に提供して、莫大な利益を得る。
その後は私と梓の安全を保障する価値が無いという判断になると思いますが、違いますか?」

エイブラハムの表情がこわばる。
そして内藤に話しかけた。