アナベルとアバローニ
「どうしたの?」
アナベルがきくと、アバローニは目をあけましたが、こえがでません。アバローニのこしをみると、血がどくどくとでています。
「まあ、たいへん!」
アナベルはアバローニをかかえると、うみのそこのびょういんに つれていきました。
おいしゃさまのイルカにアバローニをみせると、おいしゃさまはアナベルに、くすりばこをだしてくるようにいいました。
アナベルがくすりばこをもってくると、おいしゃさまはてあてをはじめました。もちろん、アナベルとおともだちのサヨリのハービーも おてつだいしました。
つぎの日、アナベルとハービー、そしてウミガメのタートリーは、びょういんにいるアバローニのことがしんぱいになり、びょういんへいきました。
「こんにちは、アバローニ。ちょうしはいかが?」
アバローニは えがおでこたえました。
「やあ、アナベル。きてくれてありがとう。あ、いたたっ…」
ああ、こしのけがが まだなおっていないのです。
「そうだわ。わたし、きょうは これをもってきたの」
アナベルは、きれいな かいがらのペンダントをみせました。
「わあ、きれいなペンダントだな」
アバローニは、そのペンダントにきょうみしんしんです。
「これを、あなたにあげるわ。はやく げんきになってね」
アナベルはそういうと、 アバローニのくびに ペンダントをつけてあげました。
「アナベル、どうもありがとう!」
アバローニは とてもうれしそうです。
「きにいってもらえて、とてもうれしいわ。それじゃあ、またね」
そういうと、アナベルたちは おうちにかえりました。
かえりみち、アナベルたちは おともだちのさかなたちにあいました。
「やあ、アナベル。どこへいくの」
「あら、こんにちは、みんな。わたしたちはね、けがをして びょういんにいるアバローニのおみまいにいってきたの。みんなもぜひ、アバローニにあいにいってあげてね。きっとよろこぶわよ」
「それは、いいね。あした、さっそくアバローニのおみまいにいこう!」
つぎの日から、アナベルやうみのなかまたちは、まいにち びょういんにいき、アバローニとおしゃべりをしたり、いっしょにあそんだり、あるくれんしゅうの おてつだいをしました。
そして、ある日…。いつものように アナベルがハービーとタートリーといっしょに アバローニのおみまいにいくと、おいしゃさまが やってきました。アバローニのけがのようすをみると、おいしゃさまは いいました。
「アバローニ、おめでとう!きみは、もう おうちにかえれるよ」
これをきいたアバローニは、おおよろこび。アナベルも、ハービーとタートリーをだきかかえて よろこびました。アバローニは、アナベルたちをだきしめて、いいました。
「アナベル、ハービー、タートリー、ほんとうにありがとう!みんなのおかげだよ!ほかのおともだちにも よろしくいってね!」
おいしゃさまも うれしそうに うなずいています。
アバローニは、おいしゃさまに ていねいにおれいをいうと、みんなに 手をふって かえっていきました。アバローニをみおくったアナベルは、ハービーとタートリーにいいました。
「アバローニがげんきになって よかったわね。これからも、けがをしたおともだちや、びょうきのおともだちを たくさんたずねてあげましょう!」
「うん、そうしよう、アナベル!」
おわり
作品名:アナベルとアバローニ 作家名:藍城 舞美