「熟女アンドロイドの恋」 第十二話
日本政府は内藤を出国させる手続きをする際に身の安全と引き換えにニューイスラエル政府に対してある申し渡しをしていた。
それは特別な理由が無い限り二度と日本へは入国させないという決まりと、アメリカを含めて友好国への出国も許可を与えないで欲しいという要求であった。
つまり内藤はどこにも出られないという束縛を受けていたのだ。
日本のパスポートを持つ内藤は実際には一か国を除いてどこの国へも入国できる資格があるのだが、日本政府から国際手配されている犯罪者と同じ扱いを受けているような立場だから、ビザは発給されないし、入国審査でほとんどの国は受け入れないであろうことは予測できる。
エイブラハムからの支援を受けて新しく研究所を立ち上げ、内藤は保存していたデータを移し替え、研究に没頭していた。
数年が過ぎて、研究に一つのめどが立った時アメリカ大使館から臨床に必要な設備を投資したいとの申し入れがあった。
それは全世界をネットワークするグローバルカンパニーで近年バイオテクノロジーに力を注いでいる企業でもあった。
彼らの事業が現実のものになれば莫大な需要が生まれる。
内藤の研究はそのために不可欠な部分であることを突き止めたのだ。
エイブラハムを介して企業の責任者ストリーツカと内藤は会合を持った。
妻となっていた梓も同席している。
「内藤さん、お目に書かれて光栄です。日本に居られる時から注目をしていました。今回の成果を是非我社へ提供して戴けることを切に願っています。こちらが私どもの条件提示となります」
そう言って書類をテーブルの上に広げた。内藤は目を通したが条件的には申し分のないものであったが、一つ注文を付けた。
「ストリーツカさん、ご提示いただいた条件は十分満足のゆく内容です。そのことに関しての不満はありません。ただし一つだけ追加の条件をのんで頂けませんか?」
「追加条件ですか?どうぞご遠慮なくおっしゃってください」
「ありがとうございます。私の研究は99%完成しています。残り1%のいわば臨床をアメリカ国内でやらせて頂きたいと思うんです。私と妻の梓を行かせて頂けませんか?」
「わたくし共の社内で行いたいと考えておらるのですね?」
「そうです。実際に成果を製品にして販売するのはアメリカからですよね?」
「もちろんです。しかし、ここで完成させて頂ければアメリカで販売することは可能です。それとも何か他の目的がおありですか?」
それは特別な理由が無い限り二度と日本へは入国させないという決まりと、アメリカを含めて友好国への出国も許可を与えないで欲しいという要求であった。
つまり内藤はどこにも出られないという束縛を受けていたのだ。
日本のパスポートを持つ内藤は実際には一か国を除いてどこの国へも入国できる資格があるのだが、日本政府から国際手配されている犯罪者と同じ扱いを受けているような立場だから、ビザは発給されないし、入国審査でほとんどの国は受け入れないであろうことは予測できる。
エイブラハムからの支援を受けて新しく研究所を立ち上げ、内藤は保存していたデータを移し替え、研究に没頭していた。
数年が過ぎて、研究に一つのめどが立った時アメリカ大使館から臨床に必要な設備を投資したいとの申し入れがあった。
それは全世界をネットワークするグローバルカンパニーで近年バイオテクノロジーに力を注いでいる企業でもあった。
彼らの事業が現実のものになれば莫大な需要が生まれる。
内藤の研究はそのために不可欠な部分であることを突き止めたのだ。
エイブラハムを介して企業の責任者ストリーツカと内藤は会合を持った。
妻となっていた梓も同席している。
「内藤さん、お目に書かれて光栄です。日本に居られる時から注目をしていました。今回の成果を是非我社へ提供して戴けることを切に願っています。こちらが私どもの条件提示となります」
そう言って書類をテーブルの上に広げた。内藤は目を通したが条件的には申し分のないものであったが、一つ注文を付けた。
「ストリーツカさん、ご提示いただいた条件は十分満足のゆく内容です。そのことに関しての不満はありません。ただし一つだけ追加の条件をのんで頂けませんか?」
「追加条件ですか?どうぞご遠慮なくおっしゃってください」
「ありがとうございます。私の研究は99%完成しています。残り1%のいわば臨床をアメリカ国内でやらせて頂きたいと思うんです。私と妻の梓を行かせて頂けませんか?」
「わたくし共の社内で行いたいと考えておらるのですね?」
「そうです。実際に成果を製品にして販売するのはアメリカからですよね?」
「もちろんです。しかし、ここで完成させて頂ければアメリカで販売することは可能です。それとも何か他の目的がおありですか?」
作品名:「熟女アンドロイドの恋」 第十二話 作家名:てっしゅう