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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第十一話

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ホテルに軟禁されていた内藤の元に一人の弁護士がやって来た。
彼は、一枚の書類を出すと署名と引き換えに解放されるであろうと伝えた。

「まて、私は犯罪者ではない。被害者なのだ。なぜ一方的なやり方で訳も話さず署名を強要するのだ」

「内藤さん、わたくしも依頼されてここに来ました。この書類はアメリカ大使館への不法侵入を免除する代わりに、国外追放にするという日本政府の決定事項が書かれています」

「何と言った?国外追放する?」

「あなたは無許可でアメリカ大使館へ侵入したと訴えられました。幸い大使館員の一人が保護をする約束はしていたが、正式な手続きは完了されていないと申し述べたので、逮捕ではなく監視付き軟禁という緩い状況下に置かれているのです」

「何という事・・・弁護士に文句を言っても仕方ないが、奴らはどこまでも隠ぺいすることに長けていると感心するよ。それで、サインしてどうしろというんだ?」

「24時間以内に国外へ出ることを申し渡しています。どちらへ出国されようと構いませんが、再入国の際には現地日本大使館で審査が必要になります」

「ふん、二度と入れるものかという言い方だな」

「そういうことではありません。審査をなさってくださいと申し上げているのです」

「不適格になることが分かっている審査を受けろと言うのだな?」

「それはわたくしに聞かれましても解りません。署名して戴けたら、預かっている荷物はすべて返還されます」

「スマホも帰ってくると言うのだな?」

「そうです」

その場で内藤は書類にサインをした。
帰されたバッグの中から充電が切れているスマホを取り出して、ホテルに備え付けのワイヤレス充電システムに繋ぎ、直ぐにラインで梓に連絡を入れた。

「エイブラハムさま!内藤さんからラインが来ました」

「そうか、解放されたか。何と言ってきた?」

「電話にして繋ぎます。もしもし・・・」

「梓か!良かった無事で。どこにいるんだ?」

「内藤さん、心配しました、ご無事でよかった。私はエイブラハム様とご一緒にニューイスラエルに居ます」

「アメリカじゃなかったのか?」

「狙われそうになったのでこちらへ来ました」

「あいつら梓を狙ったんだな。許せないな。おれは今から羽田へ向かう。日本から追放されたから仕方なくだよ。そちらへ向かうけどビザを申請している暇がない。何とかなるだろうか聞いてみてくれないか」

「わかりました。確認してすぐにラインします。待っていてください」