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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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アンデッド・ストック

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ナイフとマシンガン




     *


「で? どうするの? するの、しないの?」

 頬杖をついた河合(かわい)香(かおる)の顔には、失望の色が浮かんでいた。

 香は、苛立っていると早口になる。あまり考えたくないが、堪忍袋の緒が切れたときには、まるでマシンガンのような言葉の銃撃になる。西山(にしやま)翼(つばさ)はそのことを想像し、慄然とした。下腹部の鈍い痛みもあって、余計に鬱屈とする。

 平日の午後二時過ぎの喫茶店内は、人が疎らだ。というより、この店の席が半分以上埋まっているのを見たことがない。だから来店するたびに、経営状況を心配させられる。駅前という抜群の立地条件のおかげで何とか切り盛りできているのだろう、と予想していた。コーヒーもランチメニューも不味くはない。西山はおおむね、この店を気に入っていた。

 今日は、香からの突然の呼び出しだった。

 連日の居酒屋アルバイトのせいで疲労困憊だった西山は、今日の大学の講義には出席せず、昼過ぎまで眠っているつもりだった。基本的には真面目に出席しているため、勉強についていけなくなる心配はない。心ゆくまで眠ろうと思っていた。しかし、香がその企みを阻止した。午前に電話があった。

「話があるから、来て」

 用件は告げずに待ち合わせ場所だけを述べ、一方的に通話を切られた。電話どころか、メールさえあまりしたことがない香からの急な呼び出しである。西山は戸惑わずにいられなかった。口調がとげとげしいのは、いつものことだ。だからこそ、どのような目的があるのか全く考え付けず、ただ怯えていた。