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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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アンデッド・ストック

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もしも部屋が密室になった時。




       ◆


 僕の部屋が突然、密室になった。

 僕は、密室と化した自分の部屋に、閉じ込められたのだ。

 ドアを開けようとしても開かない。びくともしない。この時点で僕は、誰かがドアの向こうに立っていて僕を閉じ込めているのだ、と思ったけれど、それはないな、と次の瞬間には否定していた。なぜなら、今、家には僕と飼い猫の猫又(ねこまた)以外に、誰もいないからだ。つまり、この家に居るのは、僕と猫だけ。まさか猫が、部屋の向こうからドアノブに力を入れて閉じ込めているとは思えない。うちの猫はそんなことはしないし、多分、出来ないだろう。こんなことをする人間は、うちの家族では姉くらいのものだろうけど、そんな姉は、今は旅行に出かけている。確か、伊豆だったか、伊勢だったか。忘れた。

 一階から飲み物でも持ってこようとして自室が密室になっていることに気付いた僕は、最初は特に焦ったりしなかった。これがもしも、マジで漏れる五秒前、と広末涼子の歌みたいな境地に至っていたら、マジで焦る三秒前、になっていただろうけど、特に焦らない。僕は、テスト明けという本日の休みに、心も体も鷹揚だったのだ。後々、大変なことになるとも知らずに。

 人は、一日中だらだら出来る、という余裕を手に入れると、その人柄や機嫌にも影響が出る。そう思えば、金に余裕のある人間が、他人のために財布のひもを解くことに抵抗はあったとしても、自分のことで抵抗を感じるとは思えないし、金のある奴とない奴、この両者に極端な開きがあるのは当然だと思える。その両者が、同じ金銭感覚を持ち合わせていることはまずありえないだろう。