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風鈴
」
新婚の頃 ほおずき市に行ったのに
買ったのはガラスの風鈴だけ
軒下は近所迷惑だからと言って
室内の窓際に下げたそれは
風で鳴るのではなく私の頭があたる時
妻は音が鳴るというモビールを
買ったこともある
鉄パイプを使ったそれは
風鈴とは呼ばないのだろうな
今は無いし妻もいない
南部鉄でできているという
義父の遺品の風鈴は
涼ではなく霊を連想してしまう
今はもう見当たらず音の記憶も幽かに
風鈴仏桑花という花を
熱帯温室で初めて見た時は
たぶん微笑んでいたことだろう
今でも見る度に写真を撮ってしまう