ハルコ ~1/2の恋~
五年生の頃だったか、ケイタが家からワンカップをくすねて来て回し飲みしたことがあり、わずかの酒でも皆ほんのり赤くなったのだが、トオルだけは青くなったのだ。
「そう言えばさ、あの時みんなでお稲荷さんに小便ひっかけたっけな」
「そうそう、トオルさん、次の日オチンチンが腫れちゃったって大騒ぎして……」
「いや、マジでカンベンしてよ……」
トオルは頭をかきながらハルコが手渡した烏龍茶を口に運ぶ……。
トオルのオチンチンが腫れた? ああ、確かにそんなことがあったっけ、トオルのせいで立小便がばれて俺ら五人とも宮司さんに叱られて……。
……ん?……
……五人?……
俺にケイタにトオルにユウジ……あと一人だ。
その時、ハルコが眉まで垂らしていた前髪をすっとかき上げて見せた。
「あ~っ! わかったぞ! お前、ハルヒコだろ?!!!」
作品名:ハルコ ~1/2の恋~ 作家名:ST