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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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しばらくぶりのLove Letter

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 気が付くと、ケン・ポストマンの目の前には、かなり狭めの白壁のトンネルに囲まれた非常に長い階段があった。それを見ると、彼はこれ幸いと言わんばかりの笑みを浮かべた。そして、美しい鼻歌交じりに、自転車を引きながらその階段を上っていった。

 やがて、階段の先に白く輝くものが見えてきた。このトンネルの出口のようだ。しかしケン・ポストマンはそのまま出口を通らず、その前で立ち止まった。ちょうどそのとき、20代前半に見える美しい西洋人が通りかかった。ケン・ポストマンは、その青年に尋ねた。
「ちょっと失礼します。ティム・シュルツさんという方はどちらにいらっしゃいますかねぇ?」
「あ、僕がそうです」
「あぁ、何という奇跡!一発で本人にお会いできるなんて」
 ケン・ポストマンはご機嫌度120%の顔をして、空のように青い封筒の手紙を差し出した。
「あのぉ私、ケン・ポストマンと申します。今日はサラ・スタインベック・シュルツ様からあなた様への、一通のお手紙をお届けにまいりました」
 差出人の名前を聞いたとき、ティムの胸の温度が急激に上がった。彼は迷わずポストマンから手紙を受け取ると、それを頬にくっつけた。
「ありがとうございます、ケン・ポストマン!」
「いえいえ。お手紙を無事にお届けできて何よりです。では、次の仕事がありますので、私はこれで!」
「ケン・ポストマ〜ン!あなたに神の恵みあれ〜!!」
 ティムは大きく手を振りながら、不思議な郵便屋さんを見送った。

 ― そしてケン・ポストマンは、意識を取り戻した ―