小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

コント:スポーツジム

INDEX|1ページ/1ページ|

 
<コント:スポーツジム>

―登場人物―
甲:スポーツジムの店員
乙:スポーツジムに来た客

―本文―
甲:いらっしゃいませ。体を鍛えるためなら薬物を使う覚悟があります。『甲スポーツジム』へようこそ!
乙:いきなり何言ってんだ、お前
甲:強くなるためなら辞しませんよ。違法薬物も。
乙:どんな思考回路なんだよ。ジャック・ハンマーかお前は。
甲:…はい?
乙:いいよ、解んないなら解んなくて。いるんだよ、そういう漫画のキャラが
甲:あの血が薄い……
乙:知ってんじゃねぇかよ。

甲:で、どうされました?
乙:いや、身体を鍛えたくてさ。最近体が弛んできちゃって……
甲:あ、そうでしたか。
乙:けど、今までジムとか通ったことなくてさ。なんか初心者向けのダイエット系のコースとかある?
甲:ありますよ。当ジムに入会して頂ければ、こんな体系の人でも(なにやらぶよぶよした蝦蟇ガエルのヌイグルミを取り出す)こんな体系になれます。(ミイラのように痩せこけた猿らしき生き物のヌイグルミを出す)
乙:なんだ、その気持ちの悪いヌイグルミ
甲:ウチのマスコットキャラクター2体ですよ。
乙:いや、もうちょっと可愛いのにしろよ。駄目だろソレじゃ。
甲:だめですか?
乙:いや、俺はだめだわ。
甲:そうですかね?キモ怖くていいと思うんですケド
乙:もう自分でキモくて怖いって言っちゃってんじゃねぇかよ。

乙:で?具体的にどんなプランがあるの?
甲:そうですね、まぁ、こういうプランですかね。まず股割や四股、テッポウをやり込んでもらうコース
乙:おぉ。
甲:次に当事務の指導員とぶつかり稽古に精を出してもらうコース。
乙:ぅん?
甲:あとはちゃんこを創ることで体を鍛えてもらうコースですね
乙:……え、部屋?
甲:はい?
乙:ここ部屋?相撲部屋?
甲:なんのことですか。
乙:もう力士じゃん。その鍛え方は。最後に少林寺みたいな鍛え方がまじってるけど
甲:いいじゃないですか力士の体も。憧れませんか?曙、小錦、山本山、雅山…
乙:ぅん、全員憧れにくいわ。せめて千代の富士とかにしてよ。小錦とか、もう相撲専門じゃん。ボディが。
甲:でも、曙はk-1で――

 乙、甲の口をおさえる

乙:みなまで言わせねぇぞ。
甲:いや、けどk-1の舞台であれだけのウケを取ったのは――
乙:止めろ、つってんだ、バカ!

乙:俺は痩せたいんだよ、だから理想的なのは力士じゃなくてサァ…
甲:わかりました。片岡鶴太郎ですね?
乙:『ですね?』じゃねぇよ。 何が『ですね?』だ。
甲:けど、国内であれだけのスリムボディを手に入れたのは……
乙:あの体は語学上「スリム」って言わねぇんだよ
甲:奥さんと別れたい人にも役立ちますよ。
乙:ヨガに謝れお前は。ダルシム以上にヨガを冒涜してるぞ。
甲:けど、実際私もウチのヨガコースを実践してますしね。
乙:そうなの?
甲:まぁ、並行して相撲のメニューも足して2で割ってるんでアレですけど。
乙:その足して2で割るっての具体的に教えろ。途中式を教えろ。 最後の答えが「アレ」っていうのもおかしいしよ。
甲:まぁ、具体的には1日三食のご飯を食べたり、ヨガと相撲の中間の体を目指す程度に筋トレをしたりですね。
乙:……それは、もう、日常じゃん。
甲:はい?
乙:日常だよ、それは。
甲:……日常?……あの京アニを傾けた……
乙:誰がアニメの話をしろっつったんだよ。
甲:日常のありがたみ程、大切なものってないんですよ?
乙:うるせぇよ
甲:もしかしたら鶴太郎さんも今までの日常のありがたみを……
乙:止めなさいよ。
甲:私ね、いつか鶴太郎さんが『ロード』を熱唱すると思うんですよ。
乙:うるさいな
甲:あと、相撲で言うと日馬富士も今までの日常を……
乙:止めて上げなさいよ。
甲:――で、無駄話は置いといて
乙:お前が膨らませたんだよ。

甲:コースの方はどうなさいます?『九重コース』『友綱コース』『高砂コース』
乙:もう、いよいよ相撲じゃねぇかよ
甲:安心してください。結果にはコミットしますから。
乙:そういうフレーズって一番デリケートな部分なんじゃないの?
甲:もう、うちでトレーニングすれば“ブーチブー”からの“テーッテレッテッテ”ですよ。
乙:よしとけ、お前。
甲ブーチブー♪ブーチブー♪(ばったりとうつ伏せに倒れ込む)
乙:それ曙の動きだろ!
甲:テーッテレッテッテ♪テーッテレッテッテ♪(目を見開いて肩肘張って胡坐をかく)
乙:そっちは鶴太郎のポーズな!やめろ、もう
甲:いや、けどウチのマスコットのモデルになった二人のポーズを邪険にするわけには…
乙:そのマスコット曙と鶴太郎だったのかよ!
甲:さぁ、貴方もヨガ中心の生活でヨコヅナ級のボディを手に入れましょう!
乙:うるっせぇ!!



作品名:コント:スポーツジム 作家名:能嶋考稀