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てっしゅう
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新連載!「サスペンス劇場 幽体離脱」 第一話

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小田修平25歳、独身。
霊体験をしようというSNSで知り合った仲間とある場所に来ていた私は、みんなが制止することを振り切り、怪奇現象が始まっていたお堂の中に入っていった。

翌朝誰かに揺り動かされて目覚めた。

「お前、どうしてこんなところで寝ていたんだ!」

そう叫んだのはこの村の住人でお堂を毎朝掃除しに来ている年配者だった。

「気が付いたら寝ていました。すいません、すぐに帰ります」

「ここがどういう場所なのか知っていて中に入ったのか?」

「ええ、仲間と来ましたが、奴らは逃げたようです」

「きっと祟りがあるぞ・・・南無阿弥陀仏」

何を言っているんだと思いながら家に帰ったら、母親が心配顔で近寄って来た。

「昨日帰ってこなかったから心配したよ。どこに行っていたの?」

「ええ?うん、仲間と飲みに行って気付いたら朝になっていた」

嘘をついた。

「もう、寒い時なら凍え死んだかも知れないわよ。必ず電話してよこれからは」

「わかったよ。おれのことは心配するなよ」

母親とは有り難いがうるさい存在だ。
今日が仕事に行く日じゃなくて良かった。シャワーを浴びてさっぱりとして、なんだか眠いのでそのままベッドで横になった。
そしてその現象は始まった。

眠って少しすると意識がハッキリとして、自分が見えた。夢にしては生々しく感じられたので、頬をつねってみた。感触はあった。夢じゃないと思えた。しかし、横に寝ているのはまぎれもない自分だ。これってどういうことなんだとしばらくじっとしていた。

部屋の中を歩く。それでも寝ている自分はそのままだった。近づいて触れてみると温かい。息もしている。つまり死んであの世から見ているのではなかった。
母親が部屋に入って来た。どうなるんだ!

「修平・・・なに、寝ているの。ご飯作ったのに・・・後にするね」

「ええ~おれはここにいるぞ!見えなかったのか?」

自分の姿が母親には見えなかったということか?だとしたら、今の自分は何なんだ?
心の中で疑問がどんどん大きくなる。このまま戻れなければ、おれの身体はどうなる?そして今のおれはどうなる?

一時間もしただろうか、身動きが取れなくなって意識が遠のいて行く。
次に気付いたのはベッドで寝ていた自分の本当の身体であった。
鏡を見て確かめる。元通りの自分に戻っている。
お腹も空いている。