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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「月ヶ瀬」 最終話

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高木の証言は現実のものとなっていた。会田の遺体も証言場所から発見された。
あっけない幕切れに、佐藤の緊張感が外れた。
これだけ捜査して木津市内に潜んでいた高木と清一らを発見できなかったことが悔しかったのだろう。

市街地という場所は人通りが多い分人目につきそうに思えるが、隣に住んでいる人が誰だか知らないようなマンションやアパートなどでは死体が置かれていても気付かれないことも多い。
ビジネスホテルや旅館などを転々とすれば、案外発見されなかったりする。
氏名手配のポスターを見て、観念したのだろう。

もっと早くに追い詰めるべきだった。
自分の感で月ヶ瀬に居ると思わせたことが発見を遅らせた。
佐藤は和田を殺した会田と清一を生きて逮捕したかったが、被疑者死亡で送検した。

高木は久保容子に対する暴行傷害と会田元一の死体遺棄、久保清一及び会田元一両殺人犯人隠匿の罪で裁判を受けたが、自首したことで刑が減刑され懲役十年の一審判決を受け入れ、上告しなかった。

こんな形で和田の家族に報告をしなければならなかったことを佐藤は悔やんだ。
安田初江の調査依頼からとんでもない事件に発展した月ヶ瀬事件は、一応の収拾を見た。
平成9年7月に強姦殺人及び死体遺棄で逮捕された岡崎誠治の忌まわしい犯罪で有名になった奈良県月ヶ瀬村も二度目の不名誉な犯罪で再び村を有名にさせた。
作品名:「月ヶ瀬」 最終話 作家名:てっしゅう