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もやもや病 5

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41 脳卒中

私は脳卒中ということよくわかっていないかもしれないけど

もやもや病というのは病名であるけれど
もやもや病に伴う症状が脳梗塞だったり、脳内出血だったりするわけで
それは原因が、高血圧や、成人病であったにしても脳卒中を起こしたという事実には何も変わらないんじゃないかと思うのだけれど

もやもや病です、難病ですと診断されると
ご近所にいるお年寄り達とは自分は違うんだという意識があるように思えることがあって…
実際そうかどうかは聞いたりしたことはないのだけれど

10代20代の患者に70代のお年寄りと同じようなことだから一緒に…と言うつもりはないし、問題が違いすぎる

けれど、50代60代という患者さんの中に、私は脳外科に行くと同じように扱われることがイヤなんだという感じが伝わってくることがあって(私の受け取り違いかもしれないけど)

私としたら、近所にもやもや病の患者さんと巡り会う機会などなくて、でも脳卒中の患者さんなら地域にも居て、病院にも集まりがあるところもありそうで
そこにいたらもしかしていろいろな意味で活用できる場かもしれないのに…

私は脳卒中ではなくてもやもや病なんです…とかたくなに思う人がいる気がする

ある脳外科の先生が
子どもの頃も成人してからも特に今まで気がつかずに、思い当たる症状もない方が50代60代になってもやもや病と診断されることがある
それはもやもや血管が写真に現れるようになっているからだけれど
その患者さんが本当にもやもや病であるかどうかはわからない

それは、もやもや病は、生活習慣病のような、血管が動脈硬化やコレステロールが血管にへばりついて血液の流れが悪くなるような原因もなく血管が肥厚してもやもや血管が出来るという条件に対して
血管に老廃物がたまっても血液の通りが悪くなって、もやもや血管が写真に写るということはあるのだという

けれど、それは、例えば血管を取り出して解剖してみて初めてわかるようなことで
ということは亡くなってから切ってみないとわからないということになる
だから、50代60代の患者さんももやもや病という認定になる…そんなふうに言われたのをお聞きした

昔は特定疾患は、研究のためのデーターを提供するための謝礼として医療費が免除になっていたのだけれど
今は制度が変わって、国の財政状態も考慮される時代になって、特定疾患だからといって全員が医療費がかからないということではなくなった

ある程度の収入がある患者さん達はほとんど3割負担のような医療費を払っている(もやの場合)
それなら、あなたは難病ですという宣告の前に、このことをよく説明して欲しい
イヤ、もやもや病の認定はするにしても認定していたら特に問題はないわけだけれど
もう少し、説明を付け加えて欲しい

脳卒中の患者さんならご近所にも居るのだから、孤独感は違うのではないか、リハビリ室で顔を合わせるときの気持ちも違うんじゃないかと、私は思う

この病気がもしかしたら家族内発症する病気かもしれないという認識は一応持っていないといけないとは思うけれど

あるお嬢さんのお父さんがもやもや病で倒れたと問い合わせがあった結婚が決まっていてフィアンセと一緒にお話を聞きに来た
私は、お嬢さんに言った
もやもや病の診断はあるけれど、こういう話の場合もあって、本当にそうかどうかわからない
脳卒中というのなら、これから結婚するときの彼の親御さんに対しての説明も受け取られ方も違うかもしれない
もやもや病ということは置いておいて
お父さんの看護をされるという考え方はどうかな…

彼がいくらわかっていてくれても、彼の親御さんがどう思うかは別のこと
実際結婚した娘さんが、兄妹の発症が元で、離縁されたという話はある
それほどに、遺伝とか、血縁とかにこだわる人は居るものらしい

患者会に入りたいというようなこともあったけれど
内緒の話、困ったことがあったら会にいつでも連絡を
けれど、会員になって毎回会報が届けば、もしも年齢から来る脳卒中だけのことかもしれないお父さんが、もやもや病のレッテルを貼られてしまうことになるのじゃないか
そのお父さんの場合は、お酒もよく飲んでいたし、生活習慣病はあったと思う、高血圧だったしということだったから、私はそんなふうにお話しした

もやもや病という認定はついているのだから、医療費の心配も大きくはないかもしれないけれど
他の部分、結婚とかいうことに関しては、この病気と思って欲しくはなかった
会に問い合わせてきた人を会員にならなくても良いのじゃないかなどと言ったことは会にとっては叱られるようなことかもしれないけれど…だから内緒の話だけれど^^;

田舎に行けば行くほど、こういう問題は大きい気がする
看板を背負ってしまった私は、長男も娘も、この近所での結婚はありえないかと覚悟した…

作品名:もやもや病 5 作家名:とことん