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もやもや病 3

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21 タバコ

もやもや病に喫煙はとんでもなくよくないことだ…
脳外科の先生の講演のたび、聞かされてもいる、理論的にもわかっている
たばこを吸うと血管がぎゅっと収縮されるというデーターがあるらしい
ただでさえ細くなってしまった血管に、たばこの所為で収縮が起きたら、それは血液の通りが悪くなることしか考えられない
脳梗塞、脳内出血の原因だ…

次男が、職場で、たばこを吸って見せたことがあった
職場にいたおばさんが、夫に大丈夫なのかと伝えてくれたらしい

むちゃくちゃ怒った、何を考えているのかと
どこで吸ったのが最初かと聞いたら
患者本人の集まりの中で私と別室なのを良いことに吸ったらしい
そこに大人は居なかったの?と聞いた

いたけど
で、いけないとかは言わなかったの?
あんまり吸い過ぎないようにって言われた

私だったら、私の目の前で吸ったら、当然言う
この病気には良くないよ、命取りだよ、わかってるの?

今まで何を勉強してきているのかと、がっかりもした出来事だった

3人の子どもが3人とも、夫の吸ったたばこの吸い殻を口にした
私の不注意だろうか…
毎日毎日、灰皿を高いところにおいて、子どもの目の届かないところに置いた
長男の時、夫の出勤を玄関で見送って戻って見たら、高いところに置いたつもりだった灰皿が、歩行器に乗った長男の手が届いてしまったことにその時はじめて気がついた
やはり私の不注意なのか…

次男も、娘も、いつどんなときだったかは覚えていないが、口にして、何食べてるの?と思ったときには、くちゃくちゃとたばこをかんでいて、驚いて掻き出した

赤ちゃんにとってのたばこは1本が致死量だと聞いた
一番よくないのは、ジュースの空き缶にたばこの吸い殻を灰皿代わりに使って、残ったジュースに溶けてしまったたばこの水を飲むことが一番怖いと…

夫になんと言っても、やめなかった
1人目の時にそんなことがあったら普通はやめるんじゃないかと、私は思ったけれど

胃洗浄までには至らなかったけれど、どんなにイヤな思いをしたか
どこにも行くのをいやがっても、パジャマを着てしまったから車には乗れないという夫だったのに、たばこを買いに行くときだけは、パジャマでも何でも買いに行った…その行動力がとてもイヤだった

次男がもやもや病とわかって、長い年月が過ぎて
ある日、私が迎えに行くことができなかったとき、仕事の関連の方が、近くを通るからと乗せてくれて家に帰ったと…
車の中で、たばこを吸うその人が、次男君は、たばこいけないんだよね?と聞いてくれたので、はいと答えたら
たばこを吸わないで居てくれて、でもお父さんは吸ってるよね…って言ったそうだ
この話を次男が私にしながら
普通、僕がもやもや病とわかったらたばこ吸わないようにするんじゃないの?と言った

私はこの話をそっくり夫に話した
夫は、以前もしかしたら心臓が悪いのかもしれないというとき、カテーテル検査もして、結局何ともなかったのだけれど、その前後に9ヶ月とかの禁煙をしたことがあった
そこまでやめることができたのならなぜそのままやめないのかと言ったけれど、また吸い出していて
禁煙ができることがわかったから良いんだとうそぶいていた

で、私が次男のことを伝えたら、それから、家では吸わなくなった

中学の時ビデオを見せられて
空腹時に胃の中にたばこの煙が入ると、胃がもがき苦しむように動くのを見て、僕はたばこなんか吸わないんだと言った長男だったのに、大学生活から、吸い出した…
やめれば良いのにと言っていたが

お嫁さんに赤ちゃんが授かったことがわかったとたんに、家に3箱残してたばこをやめたと言う
長男はお父さんになる気満々だねと笑ったけれど、拍手拍手
そうやって、親になっていくんだねって^^

保健所の講演会があって、初めて聞いた先生の講演、質問があった
たばこを吸っても良いんでしょうか…
僕は病院にいる時間8時半から夜の9時頃まではたばこを吸わないけれど、他の時間は吸ってる、たばこは吸いすぎなければ良いんじゃないか?と言った脳外科の先生に、だめだこりゃって思った…
もやもや病のことをよく知らない先生に講演を依頼しないで欲しい、保健所…
もちろん、たばこを吸うのはよくないからと言うこと、話をしてきた

我が家から、たばこが消えた…夫は職場では吸っているらしい…
作品名:もやもや病 3 作家名:とことん