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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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Happy Christmas

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 12月24日の午前9時。作者であるマイミ・アイジョウが2032年に飛んで、フィル、ヒューゴ、ジミーの故郷ノースベイで休暇中の架空のロックバンド「LOVE BRAVE」のもとへ向かった。
「ハッピークリスマス、LB!」
「おぉ、ハッピークリスマス、ミス・アイジョウ!」
 ヴォーカルのフィルと作者がクリスマスの挨拶を交わすと、残りのメンバーも彼女と挨拶とハグを交わした。
「ほんの少し早いですが、LBの皆様に、私からプレゼントを贈ります!!」
「えっ、プレゼント?何だろう」
 ギターのスティーブンは、胸をワクワクさせた。

 作者が大型の四次元スペアポケットのような袋の中から、柔らかくないビニール袋に包まれた1着の赤いTシャツを取り出した。その胸元には、白っぽい色で「家逸」という漢字と、その少し上に小さく書かれた「Yeats」という字がプリントされている。フィルが、身を乗り出してそれを見つめた。
「何だろう、このロゴ」
 作者はよくぞ聞いてくれました、と言うような顔をして、彼の質問に答えた。
「これはですね、チャイニーズレターと言いまして、日本では『漢字』と呼ばれる文字です」
「とても不思議な雰囲気の文字だね」
「これは、『家』(いえ)、『逸』(いつ)と読みます。で、『イェーツ』」
 作者は、それぞれの漢字を指差して、読み方を説明した。
「うわあ、面白いな、これ」
 フィルがコメントすると、彼女はそのシャツを彼に差し出して言った。
「これはあなたのものです」
「えっ、本当に?どうもありがとう」
 フィルは、クリスマスプレゼントをうれしそうに受け取った。

 「ほかのメンバーのシャツもございます♪」
 続いて、作者は紺色のTシャツを取り出した。その胸元には、緑色で「摩亜狼」という漢字と、その少し上に小さく書かれた「Marlowe」という字がプリントされている。ギターのヒューゴはそれを興味深そうにじっと見たあと、こう言った。
「独創性があるな、このシャツ」
「独創性の塊と言うべきやつの口から、そんな言葉が出るとは…」
 ベースのジミーがさらりとつぶやいた。それを聞いて作者は軽く吹き出すと、文字の説明をみんなに説明した。
「この漢字は、『摩』(ま)、『亜』(あ)、『狼』(ろう)と読みます。続けて読むと、『マーロウ』」
 フィル、ジミー、スティーブンの視線が、トゲトゲキャラのギタリストのほうに向いた。見られたほうは、軽くニヒルに笑った。
「これ、色的にヒューゴに似合うと思うよ」
 横からフィルが言った。
「どうぞ。これはあなたのものです、ヒューゴ」
「ありがとな、ミス・アイジョウ」
 彼はプレゼントを受け取り、うれしそうにお礼を言うと、口を閉じたまま笑みを浮かべた。

 「続いては、こちらです」
 次に作者が出したのは、黄色と紫のTシャツだった。その胸元には、紫色で「雄努練」という漢字と、その少し上に小さく書かれた「O’Donnell」という字がプリントされている。
「『O』の字があるからには、これはジミーのかな?」
 そう聞いてきたフィルに、ヒューゴはネタバレすんなよ、と言いたげな視線を送った。しかし、作者は気にせずに答えた。
「そうで〜す♪これは『雄』(お)、『努』(ど)、『練』(ねる)と読みます」
「お、ど、ね、る。雄努練(おどねる)」
 ジミーは読み方をすぐに覚えたようだ。
「ちょっと目が痛くなりそうな色の組み合わせだけど、どっちの色も好きだな、自分」
 彼は軽くdisったものの、プレゼントそのものは気に入ったようだ。
「どうぞ、これを受け取ってください」
「ありがとう」

 「お待たせしました。スティーブンのTシャツです!」
 作者は、袋からスカイブルーのTシャツを取り出した。その胸元には、青色で「珠瑠津」という漢字と、その少し上に小さく書かれた「Schulz」という字がプリントされている。
「やった、スカイブルーだ!Kanjiのロゴもあるし!」
 スティーブンはいい年をして(16歳だが)子どものように喜んだ。
「いやぁ、無垢でいいですね。…あ、この漢字は、『珠』(しゅ)、『瑠』(る)、『津』(つ)と読みます。素早く読んでみて」
「珠瑠津(しゅるつ)」
「Very good!はいどうぞ、プレゼントよ」
「わぁ、うれしい!ありがとうございます!!」
 彼はお礼を言うと、ビニール袋に包まれたままのTシャツを胸に当てた。

 フィルは、作者にいま一度お礼を言った。
「素晴らしいプレゼントをありがとう。次のライブツアーのアンコールのときにぜひ着たいよ」
「ええ、そうしてくださるとうれしいです♪」
 すると、横からジミーも言ってきた。
「ツアーのオフィシャルグッズにしてもいいよね」
「いいですね、それ!!」
「好きなメンバーのkanjiTシャツを着るのはもちろん、1人で4枚コンプリートするのも楽しそうだ」
 こうして、ギターコンビもトークに入ってきた。なお、誤解を避けるために言っておくが、彼らは金銭欲からそう話していたのではない。楽しそうなPEARLを想像していたのだ。


                        何はともあれ、HAPPY CHRISTMAS!!
作品名:Happy Christmas 作家名:藍城 舞美