見方の変化
前も観たことがあって、そのころは何度も繰り返し観ていたから、しばらく観ることがなかった。そして、「もう二度と観ないだろうな」などと思っていたような気がする。観たとしても、当時のような、のめり込んで浸かりこむように観ることはなく、ただ、「あーこうだったこうだった」とか、「やっぱいいわ〜」的な感じでみるんだろうなと思っていた。あるいは、内容が分かっているため、新たな感情を持ちながら見ているのかもしれない、とも思っていた。もしくは、何か別の作業をしながらミたり、ただただBGMとしてmiているだけなのかもしれない、そんなこともあり得るだろうと思っていた。
この前、滋賀に訪れた。滋賀には聖地があるからである。
やはり旧鎌掛小学校からスタートすべきだろうと考えたので、そこに最初に向かった。かなり辺鄙なところにあって、車を持ってない者としては苦労した。
しかし、土日しか空いてないということを知らずに行ってしまった。
仕方なく、近くにあった水車を観察・考察した。
次の日は雨だったが、向かった。
しかし時間切れ。仕方なく、水車に対して更なる観察・考察をした。
また次の日。三度目の正直。
そんなことはなかった。ギリギリで時間切れだった。そもそも旧鎌掛小学校からかなり遠い場所に宿泊していたのが原因である。よって、宿を変え、四度目の絶対を果たそうとした。
果たせた。
しかし、その時の興奮は、危険な思考を生んだ。
それは、旧鎌掛小学校から瀬田漁港まで行ってみたい‼︎というものだ。
何が危険かというと、その交通手段だ。
自転車、しかも宿の人に借りたものだ。壊れたら弁償せねばならない。宿の人は、自転車を貸すとは言ったが、まさかその道のり（30キロ超）を移動するとは予想していなかった、と後に言った。
夜の十時くらいに、なんとか着いた。暗くてはっきりと聖地の様子を見ることはできなかったが、その光景は、作中に出てくる一幕の雰囲気を、よりリアルに感じさせてくれた。
周囲には特に人もなく、列車や車のなす光の列は、作中のそれと酷似していた。
来てよかった、そう思った。
宿の人が、偶然にも京都からの帰り途中で、宿までつんでいってもらうことができた。自転車も乗せられるサイズの車であった。
来なければよかった、最初、車内でそう思いながら宿の人と話した。
その宿の人は、いろいろなことを聞いてくれ、かついろんなことを教えてくれた。
来てよかった、そう思った。
話は戻るが、さっきまでアニメを観賞していた。
まさか泣くとは思いもしなかった。それほど聖地にエネルギーがあるのか…
おそらく違う。聖地に行こうと思う前までに培ってきたものが、そうさせたのだと思う。