われら男だ、飛び出せ! おっさん (第ニ部)
「こんなに美味しいものが出来るなら、お母さんが亡くなった後、お料理を全部引き受けるんじゃなかった」
「ははは、そういうことか、だけど俺はこれしか作れないぞ」
「毎日これでも良いくらい……でも安心して、お父さんの健康管理はお母さんから託されたんだから、これからもあたしが作ったものをちゃんと食べてもらいますからね」
「ははは、頼むよ」
「でも、これが森田さんの麺と村野さんのスープに合わせられるんだ……」
「一度食べに来いよ」
「うん! もちろん!……お父さん……」
「ん? 何だ?」
「カッコイイよ、今のお父さん……助けに来てくれたあの時と同じくらい」
作品名:われら男だ、飛び出せ! おっさん (第ニ部) 作家名:ST