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六戸はるか
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街角の幽霊
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三号車の亡霊
車窓を指差し
言うのであった
灯りの点った窓が通る
名前も知らぬ横顔が通る、と
そしてけたけた
笑うのだった
だれもこっちを見ちゃいない
だれも気づいていやしない、と
けれども同時に
泣くのであった
名前を知ろうと知るまいと
だれも気づいていやしない、と
そういうことだ
そういうことだ、と
車窓を指差し
言うのであった
作品名:
街角の幽霊
作家名:
六戸はるか