「かぐや姫」 第八話
「うん、何?」
「お父さんとお母さんの傍を離れないで欲しい」
「私はいずれ連れ戻される可能性があるということなの?もしかして」
「その可能性は否定できないって思ったんだ。文明が進んでいるところからだと、きっとお前を見つけて探しに来るだろうって」
「目印もないのにどうやってこの広い宇宙空間から私を見つけられるって言うの」
「解らない。でも、心配なんだ」
「もし本当の親が現れたら、まず理由を聞きたい。そして、連れ戻すというのならハッキリと断るつもり。私はここでずっと暮らしたいと思うから」
「嬉しいよ。安心した。さあ、順番が来た。望遠鏡を覗こう」
今日は満月だ。綺麗な月が見える。望遠鏡で覗くと、黒く見えるところに岩でできたブリッジのようなものが見えた。
倍率が低かったから見えなかったが、国王が12年前に不時着させた艦船はその付近に停泊していた。正しくは座礁していると言った方が近いかも知れない。
かぐやはずっと同じところを見ていた。
「どうした?月に興味が出たのか?」
「ううん、なにか解らないけど感じるの・・・首の後ろの方が疼いてきた」
「傷がか?」
「うん、どうしてかぐやには傷が出来たの?」
「お母さんも解らないんだよ。見つけたときには気付かなかったけど、生まれたときからあったと思う」
「そう、それも不思議なことね」
かぐやはこの夜に激しく痙攣を起こし、心配したボクと美加は翔と一緒にすぐに下山して地元の病院へ連れて行った。
CTをとっても異常は見つからなかった。
一つボクが発見したのは、首に出来ていた大きな傷が無くなっていたことだった。
「美加、かぐやの傷が・・・消えているぞ」
「本当だわ。どうしたのかしら。痙攣と何か関係があるとしたら不吉ね」
美加が不吉と言ったのは、かぐやが宇宙から連れてこられたということを思い出して言ったのだろう。
やはり首の傷には理由があったのだと知らされた。
意識が目覚めないかぐやは、そのまま入院することになった。
準備をしてなかったから着替えが不足する。
美加は町へ翔を連れて下着を買いに出掛けた。その間一人になったところへ担当の看護士がやって来た。
「お父さんとお母さんの傍を離れないで欲しい」
「私はいずれ連れ戻される可能性があるということなの?もしかして」
「その可能性は否定できないって思ったんだ。文明が進んでいるところからだと、きっとお前を見つけて探しに来るだろうって」
「目印もないのにどうやってこの広い宇宙空間から私を見つけられるって言うの」
「解らない。でも、心配なんだ」
「もし本当の親が現れたら、まず理由を聞きたい。そして、連れ戻すというのならハッキリと断るつもり。私はここでずっと暮らしたいと思うから」
「嬉しいよ。安心した。さあ、順番が来た。望遠鏡を覗こう」
今日は満月だ。綺麗な月が見える。望遠鏡で覗くと、黒く見えるところに岩でできたブリッジのようなものが見えた。
倍率が低かったから見えなかったが、国王が12年前に不時着させた艦船はその付近に停泊していた。正しくは座礁していると言った方が近いかも知れない。
かぐやはずっと同じところを見ていた。
「どうした?月に興味が出たのか?」
「ううん、なにか解らないけど感じるの・・・首の後ろの方が疼いてきた」
「傷がか?」
「うん、どうしてかぐやには傷が出来たの?」
「お母さんも解らないんだよ。見つけたときには気付かなかったけど、生まれたときからあったと思う」
「そう、それも不思議なことね」
かぐやはこの夜に激しく痙攣を起こし、心配したボクと美加は翔と一緒にすぐに下山して地元の病院へ連れて行った。
CTをとっても異常は見つからなかった。
一つボクが発見したのは、首に出来ていた大きな傷が無くなっていたことだった。
「美加、かぐやの傷が・・・消えているぞ」
「本当だわ。どうしたのかしら。痙攣と何か関係があるとしたら不吉ね」
美加が不吉と言ったのは、かぐやが宇宙から連れてこられたということを思い出して言ったのだろう。
やはり首の傷には理由があったのだと知らされた。
意識が目覚めないかぐやは、そのまま入院することになった。
準備をしてなかったから着替えが不足する。
美加は町へ翔を連れて下着を買いに出掛けた。その間一人になったところへ担当の看護士がやって来た。
作品名:「かぐや姫」 第八話 作家名:てっしゅう