「かぐや姫」 第五話
惑星かぐや暦5050年、反乱軍の移住先惑星ティラスに接近した政府軍は、反乱軍と思われる司令部からの信号を受信する。
「政府軍司令官に告ぐ、攻撃をやめて引き返さなければ、お前たちが開発した新兵器で攻撃する。どういうことになるかわかるだろう。ティラスは今後我々が平和的に支配することを認めよ。それが惑星かぐやの唯一の選択だ」
「お前たちは反乱軍であり、ティラスの支配権はかぐやの国王にある。武力を解除して降伏するならば国王の寛大な措置があるだろう。これが最後通告だ。直ちに武装解除して我々の安全な着陸を許可せよ」
国王のメッセージを通告してしばらく経っても反乱軍からは音沙汰がなかった。
政府軍はそれぞれの艦船に戦闘態勢をとるように通告した。
「艦長!反乱軍と思われる艦船部隊が近づいてきます!」
「画面に映し出せ」
指揮官の乗った艦船内に緊張が走る。
ズームアップされた敵先頭艦船にはかぐやで開発され、廃止決定された大量破壊兵器とみられるものが積載されていた。
「艦長!あれは・・・」
「うむ、奴らは完成させていたらしいな。厄介なことになった。全滅するかも知れないぞ。全艦船に至急かぐやへ後退するように伝えろ!」
方向転換して全速力で引き返す政府軍艦船に向けて、新兵器は発射された。
最後尾の艦船に命中した兵器は大爆発を起こし、その場に強力な渦巻き状の重力場を形成し、逃げかえる艦船を次々と呑み込んで行く。
完成度が100%ではなかったのだろう。先頭をゆく数艘の艦船はこの引力から逃れて、惑星かぐやへ逃げ戻れた。
政府軍の報告を聞いて国王は緊急会議を招集し、全市民へティラスと戦闘状態にあることを宣言した。
「国王、われわれも再度重力兵器を開発し、完成をめざさないと反乱軍に負けてしまいます」
そう発言したのは、逃げかえって来た艦船の艦長だった。
「奴らは我々の後を追ってもう間もなくかぐやにやって来るだろう。その時間はない。直ちに残された全艦船は出動して応戦するように配備しないと間に合わないぞ」
「どうやってあの兵器と戦うのですか?」
「兵器を積んでいる主力艦を狙って地上からと、艦船から集中先制攻撃を掛けよう。それしかない。奴らの艦船は重力兵器以外は通常兵器だけだから十分戦える」
「了解しました。全艦船は至急離陸します。地上部隊の攻撃目標は私が座標をマークしますので、直ちに仕掛けてください」
「私も行こう。この重大な危機にここでのんびりとは構えていられない」
「政府軍司令官に告ぐ、攻撃をやめて引き返さなければ、お前たちが開発した新兵器で攻撃する。どういうことになるかわかるだろう。ティラスは今後我々が平和的に支配することを認めよ。それが惑星かぐやの唯一の選択だ」
「お前たちは反乱軍であり、ティラスの支配権はかぐやの国王にある。武力を解除して降伏するならば国王の寛大な措置があるだろう。これが最後通告だ。直ちに武装解除して我々の安全な着陸を許可せよ」
国王のメッセージを通告してしばらく経っても反乱軍からは音沙汰がなかった。
政府軍はそれぞれの艦船に戦闘態勢をとるように通告した。
「艦長!反乱軍と思われる艦船部隊が近づいてきます!」
「画面に映し出せ」
指揮官の乗った艦船内に緊張が走る。
ズームアップされた敵先頭艦船にはかぐやで開発され、廃止決定された大量破壊兵器とみられるものが積載されていた。
「艦長!あれは・・・」
「うむ、奴らは完成させていたらしいな。厄介なことになった。全滅するかも知れないぞ。全艦船に至急かぐやへ後退するように伝えろ!」
方向転換して全速力で引き返す政府軍艦船に向けて、新兵器は発射された。
最後尾の艦船に命中した兵器は大爆発を起こし、その場に強力な渦巻き状の重力場を形成し、逃げかえる艦船を次々と呑み込んで行く。
完成度が100%ではなかったのだろう。先頭をゆく数艘の艦船はこの引力から逃れて、惑星かぐやへ逃げ戻れた。
政府軍の報告を聞いて国王は緊急会議を招集し、全市民へティラスと戦闘状態にあることを宣言した。
「国王、われわれも再度重力兵器を開発し、完成をめざさないと反乱軍に負けてしまいます」
そう発言したのは、逃げかえって来た艦船の艦長だった。
「奴らは我々の後を追ってもう間もなくかぐやにやって来るだろう。その時間はない。直ちに残された全艦船は出動して応戦するように配備しないと間に合わないぞ」
「どうやってあの兵器と戦うのですか?」
「兵器を積んでいる主力艦を狙って地上からと、艦船から集中先制攻撃を掛けよう。それしかない。奴らの艦船は重力兵器以外は通常兵器だけだから十分戦える」
「了解しました。全艦船は至急離陸します。地上部隊の攻撃目標は私が座標をマークしますので、直ちに仕掛けてください」
「私も行こう。この重大な危機にここでのんびりとは構えていられない」
作品名:「かぐや姫」 第五話 作家名:てっしゅう