しろいキリンのソープ
しろいキリンのソープ
マリカちゃんが、あかるい おつきさまを かきました。
そのしたで キリンのママが、おおきなさけびごえを あげました。
ちかくでみまもっているのは、くびに きいろいふうせんをまいた あのマリカちゃんのキリンです。
やがて「きゅーん。」と かわいいなきごえが きこえました。
あかちゃんが、うまれたのです。
つきのあかりに てらされた あかちゃんをみて、キリンのママは おどろきました。
それは、まっしろな あかちゃんキリンだったのです。
マリカちゃんがいたずらで、あかちゃんに いろをぬらなかったからです。
くびに きいろいふうせんをまいたパパは、そのこに「ソープ」となづけました。
それはまっしろな「せんたくせっけん」のこと。
ソープは、げんきにはしりだしました。
まっしろなソープは、よるでも よくみえます。
「あれあれ? あのしろいこは だれだろう?」
みんな、みなれない しろいキリンに ちゅうもくです。
「なんだおまえ! へんなキリンだな。」
そこでマリカちゃんは、ソープをピンクにぬりました。
「なんだなんだ? いろがかわったよ。」
みんな、ソープのことを きみわるがりました。
よるのくらやみから、キリンたちを ひかるめが みていました。
キリンたちは、よるでも ねむりません。
ライオンたちが、ねらっているからです。
なにもしらないソープは、いずみで みずをのんでいると、くさのしげみから ライオンが ちかづきました。
「ガオー!」
キリンたちは、いっせいに にげだしました。
でも、ピンクのソープはめだちます。にげおくれて、いずみに はまってしまいました。
バシャバシャバシャ、ブクブクブクブク。
ソープのからだから あわがでて、また まっしろになりました。
「ソープは、せっけんだもん。」
と、マリカちゃんは いいました。
そしてこんどは、ソープをまっかにぬりました。
「うひゃー。まっかに おこったキリンだー。」
ライオンたちは、おどろいて にげていきました。
とおくで、そのようすをみていたキリンたちは、おおよろこびで あつまってきました。
ソープはみんなの、にんきものになりました。
まっしろいキリンは、いまもアフリカのどこかで、げんきにくらしています。
おしまい
作品名:しろいキリンのソープ 作家名:亨利(ヘンリー)