小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

落とし物からの発想

INDEX|1ページ/1ページ|

 
この間ベニシジミを見た道に、今日は本が落ちていた。2冊落ちていてなぜか同じタイトルであった。しかし用事があったため、そのときは通り過ぎた。
 用事を終えて帰るとき、また同じ道を通った。やはりまだ落ちていた。当然、落とし物を拾うようなことはしないのが普通だ。
 しかし、同じタイトルの本が2冊転がっているのは普通ではない。しかも両方同じタイトルなど、明らかに不自然だ。
 ということは、私がそれを1冊拾うという、普通でない行動をとったとしても、別にいいのではないか、という、今考えたら「何やってんだ俺」と言いたくなるような感覚で、拾った。

 とても闇い話だった。
 
 そういう闇い世界に、何度か引っかかったことがある私は、嫌な予感がした。

 よって数ページも読まないうちにカバンにしまった。

 こういうとき、どうすれば気が紛れるのだろうか。
 一つに、明るいもので照らすという方法がある。よって私は、部屋の机に無造作に置いてあった、まんがタイムきららをペラペラ見て、ニタニタ笑った。

 くらいときは、照らせばよいのではないか。
 その方法は、もう星の数ほどあるだろう。
作品名:落とし物からの発想 作家名:島尾