過ぎゆく日々
隣のチャンネル
大きな不安を抱えながら、無観客という異常な状態で開幕した東京オリンピック――
でも、やはり始まってみれば、テレビに向かって選手たちに熱い声援を送り、メダルの行方に一喜一憂する。
あちこちチャンネルを変えては、様々な競技を追いかける中で、報道番組の画面が映ると、そこには感染拡大という深刻な現実が訴えられている。
今、同じ時間、同じ東京で、歓喜に包まれた熱戦と、片や防護服姿で懸命に救命活動を続ける人々の姿。これほど大きな違和感があるものだろうか。
胸が苦しくなるような現実から逃げるように、オリンピック中継にチャンネルを変えるが、複雑な思いからは決して逃れられない。
2021.8.7