LOVE BRAVE外伝 第1話
― ある日のこと。トロント市内某所で、LOVE BRAVEが全員集合していると、時空のひずみが発生した。
「えっ?何だ何だ」
ヴォーカルのフィルがそう言った直後、4人とも別空間に飛ばされた ―
LOVE BRAVEが着地すると、彼らの目の前には、「日本一有名なテーマパーク」のシンボルである「あのお城」によく似た大きな洋風の城が建っていた。しかし、本家のものと比べると、外観の色合いがどことなく暗い。
「何か見たことあるお城だけど…」
ベースのジミーがつぶやいた。
すると、お城の入り口らしき所から女性の声が聞こえた。
「あ、LOVE BRAVEの皆さ〜ん、ここです、ここで〜す!」
声のしたほうを見ると、作者のマイミ・アイジョウがジャンプしながら手を振っていた。
「ミス・アイジョウ!」
ギターのスティーブンが言うと、彼女のもとに駆け寄った。年長メンバーズも彼に続いた。
「なあ作者さん、ここは、いったいどこだ。なぜあんたも居る?」
ギターのヒューゴが問うと、作者は答えた。
「実は私もあなたたち同様、この変な『別空間』に飛ばされまして…」
作者の思いがけない言葉に、フィルも答えた。
「やっぱりここ、現実世界じゃないんだ…」
「そのようですねぇ」
しかし、切り替えが早いのか状況を分かっていないのか、作者は突然こんな提案をした。
「ところで、このお城の中、見てみませんか?」
「えっ、中に入るんですか」
スティーブンが少しわくわくしながら言った。
「はい。実はこのお城、作者である私が、LOVE BRAVEの『シークレットベース(秘密基地)』として確保しときました(目をキラリ)」
作者の言葉に、ヒューゴが失笑した。
「秘密基地って…子どもか」
「ネーミングを考えた末に、その名前に決めました。ささ、皆さん、こちらへどうぞっ」
取りあえず、4人は作者に付いていった。
作品名:LOVE BRAVE外伝 第1話 作家名:藍城 舞美