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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「空蝉の恋」 第二十三話

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「妻と離婚の話をしてきた」

「ええ?それ本当なの?」

「ああ、本当だよ。あいつ男と泊りがけで温泉に行っていたんだ。偶然おれの前の会社の部下が見つけて知らせてくれた。決定的だよ」

「まあ、奥様やるわね。美人だという噂だから仕方なかったのかもね」

「何言っているんだ。どこからそんなこと聞いた?」

「何となくね、そう感じたから言ってみたの。それより、離婚が成立したら私と一緒になってくれるのよね?」

「うん、そうだな。すぐには無理だぞ」

「わかっているわよ。約束してくれたらずっと待てる」

「まずは離婚に応じるかだな。とりあえず別居することは決まりだ」

「じゃあ、あなたの部屋に遠慮なく遊びに行けるね」

「そう言うことだ。こっちへ来ることは無いからな」

佳恵との離婚に向けて春樹は不利にならないように考えていた。
相手から離婚したいと言わしめるか、浮気現場の決定的な証拠を見せるかで、自分が優位に立てると企んでいた。

夫が東京へ帰ったその日の夜、徳永からラインが来た。
そろそろ会いたいと言ってきた。
私は慎重にならざるを得なかったので、体調不良を理由にしてテニススクールも休み、恵美子ともしばらくは会わないでおこうと決めていた。

洋子の春休みに合わせて二人で旅行しようと話が進んでいた。
離婚騒ぎになった原因の白骨に娘は行ってみたいと言った。
私は気乗りがしなかったが、女二人ならまた違うものが見えるかも知れないと、さっそく宿を予約した。

季節は四月になっていた。
白骨温泉まではところどころ雪が残る山々の風景を見ながら車を走らせる。
松本駅でレンタカーを借りて洋子が運転をしてくれた。
道路には雪は無かったが、この日は気温が低く、晴れていてもダウンを着なければ外に出れないぐらいだった。

「ママ、寒いわねえ~」

「そうね。車じゃないと来れないところよね。運転してくれて助かるわ」

「レンタカーは私の車と同じだから運転しやすかった。着いたわね。早く温泉に浸かりたいわ」

洋子と私は宿にチェックインするとすぐに露天風呂へ入ることにした。
春休みのせいか若い人たちや家族連れが多く入浴していた。