西暦三〇〇〇年
広場には大勢の人が集まっていた。
あと数分で二九九九年が終わりを告げ、三〇〇〇年という記念すべき年がスタートする。
今、人々の興奮は最高潮に達しようとしていた。手には光るライトを持ち、みな、それを天に差し向けてその時を待っている。あちこちで神を称える歌が流れ始め、その歌声は、夜空の彼方まで届くように広がっていった。そして、誰からともなくカウントダウンの声が湧きあがり、しだいにその声はさざ波のようにあたりにこだましていく。
「十・九・八……」
今やその声は絶叫となっていた。
「……二・一・〇!」
その瞬間、人々の歓声は、盛大に打ち上げられた花火と呼応し、夜空全体がひとつの舞台と化した。興奮冷めやらぬ中、中央の壇上に一人の男が立った。
「みなさん! 新しい年、いや新しい世紀の始まりです。この場に立ち会える幸運をみんなで分かち合い、後世に語り継ぎましょう!」
割れんばかりの拍手と指笛で民衆は答えた。
「さて、もうひとつのお楽しみ、みなさんお待ちかねの当選者の発表を行います。今宵、類稀なるこの企画に当選された方はこのお二人です!」
あと数分で二九九九年が終わりを告げ、三〇〇〇年という記念すべき年がスタートする。
今、人々の興奮は最高潮に達しようとしていた。手には光るライトを持ち、みな、それを天に差し向けてその時を待っている。あちこちで神を称える歌が流れ始め、その歌声は、夜空の彼方まで届くように広がっていった。そして、誰からともなくカウントダウンの声が湧きあがり、しだいにその声はさざ波のようにあたりにこだましていく。
「十・九・八……」
今やその声は絶叫となっていた。
「……二・一・〇!」
その瞬間、人々の歓声は、盛大に打ち上げられた花火と呼応し、夜空全体がひとつの舞台と化した。興奮冷めやらぬ中、中央の壇上に一人の男が立った。
「みなさん! 新しい年、いや新しい世紀の始まりです。この場に立ち会える幸運をみんなで分かち合い、後世に語り継ぎましょう!」
割れんばかりの拍手と指笛で民衆は答えた。
「さて、もうひとつのお楽しみ、みなさんお待ちかねの当選者の発表を行います。今宵、類稀なるこの企画に当選された方はこのお二人です!」