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動画サイト『もっとショッカーを良く知ろう!』(ライダー番外編

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「『もっとショッカーを良く知ろう!』第二回は、『ショッカーに聞く」です、まず最初はショッカー日本支部大幹部、地獄大使よりのメッセージ、では大使、お願いします」

「うむ……君、そこの君だ、君には生きる目標があるか? 大きな夢を抱いているか? 我々ショッカーは大きな目標、夢を抱いておる、それは他でもない『世界征服』だ。 悪人の、悪人による、悪人のための世界を共に築こうではないか! いかにライダーどもが我々を妨害しようとも我々は決してブレない、近い将来、必ずやライダーどもを倒し、悪の理想社会を作り上げる、それを私は君たちに約束しよう……我々は型にはまった無害だが無益な人物を求めてはいない、君には君の個性と言うものがあるはずだ、君には君の適性と言うものがあるはずだ、それが今の世の中からいかにはみ出していようと、我々はそれらを決して否定しない、我々にはどのような個性、適性であってもそれを生かすだけの用意がある、腕っ節の強い者はそれを生かせ、悪知恵の働く者はそれを生かせ、スピード狂ならそれを生かすのだ。 我々は過去の過ちにもこだわらないぞ、そもそも過ちなどと言う観念は画一的な社会観から外れたというだけのことだ、他に類を見ないような経験をした、そう捉えれば貴重な経験を持っている貴重な人材、そう考えることが出来るのではないかな? さあ、ショッカーに来たれ、君が君らしく輝くこと、それが我々の大望である『世界征服』を手繰り寄せる原動力となるのだ、君の力が欲しい、君の経験を生かしてくれ、そして我々に力を貸してくれ!」 

「大使、熱いメッセージありがとうございました、続いて先輩の声を聞いてみましょう」

「俺か? 俺は戦闘員NO.135 強盗・窃盗班に所属してる。 俺の特技はピッキングだよ、どんな錠前でも俺の指先と針金一本あれば屁のツッパリにもならねぇよ、ショッカーに入ったキッカケかい? まあ、スカウトされたんだな、その頃はドジな仲間と組んだせいでパクられてよ、ムショから出たばっかりだったのさ、仲間もいなけりゃ仕事もなくてなぁ、いや、一度は心を入れ替えて真っ当に生きようって思ったこともあったぜ、だがよ、前科者にゃ冷たい世の中だぜ、バイト一つさせちゃ貰えなかったさ……そんな時にショッカーは俺の腕を見込んで声をかけてくれたのよ、あん時ゃ嬉しかったなぁ、涙が出たぜ。 ショッカーでの仕事かい? やりがいがあるぜ、なにしろ仲間は腕利き揃いだ、こないだ銀行をやったんだが、まず元暴走族でドラフト走行の名人がケツからクルマで銀行に突っ込む、すぐにずらかれる様にさ、それからライフルのプロが窓口に置いてあるマスコットの首を吹っ飛ばして見せる、あの腕を見れば誰だって上げた手を下ろそうなんて考えやしねぇさ、で、俺の出番だ、素早く金庫を開けて、運転手と一緒に金を袋に詰め込む、ライフル男が構えてりゃ誰一人邪魔をする奴はいねぇよ、で、三人クルマに乗り込んでずらかる、サツが来た時ゃもう仕事は全部終わってる……こんな鮮やかな仕事はショッカーでなきゃできねぇさ……おっと、言い忘れてたが、クルマも違法改造のプロの手で改造されてるぜ、サツの拳銃くらいじゃ穴なんて空けられないし、タイヤだってパンクさせられねぇよ……。 ああ、確かに給料制だからな一攫千金って訳にはいかねぇさ、だけどよ、腕利きのプロと組めるからパクられる危険性はぐっと小さい、万一パクられても顧問弁護士がついてるしよ、臭いメシを食ってる間も給料は保証される、マネーロンダリングなんて面倒な仕事は知恵の働く奴がやってくれるしよ……実際、札の通し番号から足が付くことってのは多いのさ、それやこれやを考えれば生涯で稼げる額は変わらねぇと思うぜ、そう考えれば臭いメシを長いこと食わねぇで済む方が良いだろう?……それによ、やっぱり大きな夢を共有できる仲間が沢山いるってのは生き甲斐になるってもんよ」


「俺かい? 俺は戦闘員NO.35だ、実戦班だよ、ショッカーに入る前はボクサーだった、8回戦まで行ってたからもう少しで日本ランカーになれるところだったんだ……人生の歯車が狂っちまった晩のことは良く憶えてるよ、あの日は試合が終わったばかりでなぁ……知ってると思うけど、ボクサーってのは減量とも戦わなくちゃならねぇんだ、付き合い始めて3年になる彼女がいたんだが、トレーニングと減量で試合前はデートもままならないのさ、でも彼女は文句一つ言わないで応援してくれてたぜ……試合の翌日にはもちろんデートしたさ、それまでさんざん我慢してたし、我慢させてたんだからな、結構苦戦したけど7ラウンドKO勝ち、祝杯の意味も兼ねてちょっと奮発したレストランに連れて入ろうとしたんだが、なにしろかなり打ち合ったからな、俺の目は真っ青に腫れあがってててさ、門前払いさ、ボクサーなんだ、試合で受けた傷なんだ、喧嘩じゃねぇぜって説明したんだけどよ、『ほかのお客様が怖がってしまいますので』と来たもんさ……俺はムカっとしたけど、彼女はそんな俺を上手く宥めてくれるんだ、本当に俺にはピッタリの彼女だよ。 で、場所を変えて居酒屋で一杯やってたんだがよ、隣のテーブルにイキがった兄ちゃんたちが座ったんだ、そいつら、喧嘩にはちょっと自信があるみたいでよ、俺の顔を見て喧嘩でボコボコにされた奴、弱い奴だと勘違いしたらしいんだ、俺に舐めた口をきいてる内は俺も我慢してたんだが、そのうち彼女にちょっかい出し始めたんだよ『こんな弱虫じゃなくて俺たちと付き合えよ』とかなんとかな、それに対して彼女が『この人はあんたたちみたいなゴロツキとは違うのよ』と言ったもんだから気色ばみやがって、彼女に手を上げそうになったんだよ……俺は頭に血が上っちまってなぁ、気がついたら奴らは血反吐を吐いて床に転がってた……奴ら、結構でかい声で騒いでたから店にいた店員や客は事の次第をきちんと証言してくれたんだけどな、プロボクサーが素人相手に立ち回りしちまうと過剰防衛になるのさ、一人はちょっとばかり障害が残っちまったしな……期間は短かったけど実刑判決が出てさ、ボクサーライセンスは剥奪、バイトしてた店もクビ、仕事を探そうにもムショ帰りじゃどうにも……な……。 そんな時に手を差し伸べてくれたのがショッカーだったわけだ、最初は誰でも200番台だよ、だけど俺にはボクシングがあったからさ、すぐに今の番号を貰えたよ、ショッカーは徹底した実力主義だ、頑張れば頑張った分きちんと評価してもらえる、過去に何か汚点があったとしてもそんなのは関係ねぇんだ……俺はやるぜ、いつかライダーに一泡吹かせてやるんだ、それでよ、俺がムショに入っている間もちゃんと待っててくれた彼女に良い暮らしをさせてやりたいんだ。 今は秘密結社だけどよ、いつか世界征服を成し遂げられたらショッカーの世の中が来る、そしたら大手を振って彼女を嫁さんにしてやりてぇんだ、世界一の花嫁にな、それが俺の世界タイトルってわけさ。」