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[完結]銀の女王と金の太陽、星の空

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「じゃ、着替え届けたら視察に行ってくるね!今日は東の村だよ!!」

無邪気な笑顔で、逃げるように太陽は部屋を出て行った。

太陽が去ると、まるで嵐が去った後のような静けさが広がる。

「もー、太陽おじ上、将軍のくせに威厳0なんだから~。」

(たしかに。)

麻流のぼやきを聞きながら空は理巧を私から抱き取ると、私の背中を押して寝室へ促した。

「さ、36章第1項を声を揃えて読むぞ。読めない字はないか?」

銀河に読めない字を確認する楓月と麻流の声を聞きながら、私と空は寝室のカーテンをくぐった。

空は理巧をベッド脇にあるベビーベッドに寝かせると、私を抱きしめて唇を重ねてきた。

「空、愛してる。」

10年前、空に扮した太陽と挙式して以来、空と式を挙げなおした後も空の心の中では太陽への複雑な思いがくすぶっているようで、たびたび太陽のおふざけにああやって本気で怒る。

それもまた愛しくてたまらないけれど、空を不安にさせない為に、その都度きちんと愛を伝えるようにしていた。

私が仮面を外すと、空の衰えない美貌が現れる。

「俺も、愛してる。」

言いながら、空が深く口づけてきた。

角度を変えながら何度も何度も深い口づけを繰り返す間に、気がつくと私はベッドに寝かされていた。

「次の授乳まで、ゆっくり休みな。」

私に布団をかけると、空はベルトを外して刀や暗器を所定の場所へ置く。

そして、私の枕元に腰かけると理巧を再び抱きあげた。

私は空に優しく頭を撫でられて、瞼が重くなる。

空は忍の頭領の顔を持つ、この国の夫君。

私達の子どもは、王族でありながら星一族としても生きていく。

毎日、帝王学に騎士の訓練、そして忍の訓練と頑張ってくれている大事な家族に、愛情をたっぷりと伝えたい。

色々と障壁はあったけれど、今では内政も安定し、諸外国との交易も活発になってきた。

内政は私と空が、外政は銀河と太陽が担って、この国を治めている。

小国ながら、忍のいる国としても有名になってきた。

これから、もしかしたら子ども達は忍として諸外国へ旅立つことになるかもしれない。

(空、手放せるのかな、子ども達。)

その時の空のことを想像しながら、私は夢の世界へと旅立って行った。

(完結)

※この後、麻流が残念王子シリーズに登場します。