ワタシタチ。2
満月の夜に
今日はバスに揺られてどこに行こう
小さな身体に似合わない大きさの荷物
ほらまた疲れたってすぐ座り込む
「最低限のものだけにしときなよ」
あれだけ言ったのに
レンズ越しに気付いた そのマフラー持ってたっけ?
淡い色がよく似合う もっと僕の側に来て
青信号点滅 のんびりの僕らは立ち止まった
曲がり角の老舗でお茶でもして行こうか
どうしたの?急に不機嫌そうな顔をして
荷物で両手が塞がっているから手は繋げないよ
ほらまた分からないタイミングで笑い出す
もうお腹すいたの 切りすぎた前髪気にしてるの
食べ物半分こするの すぐくっつきたがるの
そろそろ帰ろう 何も知らない夜空が語り始める前に
たまには僕のこともちゃんと見ていてね
ちゃんと僕だけを見つめていてね
振り返ると君はもう居なかった
君が主役だったあの頃の街ともお別れの時間
風景ばかりの写真が足元に広がっていた
明日はバスに揺られてどこに行こう
君とどこに行こう
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