それでも太陽は赤く染まる!第18回「歯科検診の焦りと憂鬱!」
「口で言ってもあまり分からないようなので、ちょっとモニター出しますけど。!(⊳Д⊲)今検査した歯の、赤い部分が服部さんの虫歯手前まで来ている歯の所の部分です。わかりやすく5段階に分けて赤くて高い数字ほど歯茎の状態が悪いってことを示しています。服部さんの場合赤色の4が多いのではっきり言ってかなりやばい状況ですね。磨き残しも多くて細菌だらけになって出血もかなりひどいので、このままの状態でしっかりと磨かずに放置していると近い将来、ほとんどと言っていいほど歯を全部失う事は間違いないでしょう。( ̄д ̄)」
ひとし、神山の思いやりのない言葉にガーンと身体に衝撃が走ったように、手のひらに汗を握って表情が硬直してしまった。ひんやりしている室内なのに。
神山、ひとしの表情も気にせずマイペースにタンタンとさらに怖がらせるように話しを続ける。
神山
「こちらの画面は服部さんの歯茎の状態とほぼ近いイラストなんですけど、こんな風に歯茎が腫れて歯の隙間から食べかすとかの細菌がどんどん入り込んでしまって歯茎が下がるように痩せてってしまうんですね。( ̄д ̄)そうなるといずれ白い歯も長ーく伸びたように見えてきます。その結果歯の根っこまで歯茎が下がってしまって歯も支えられなくなって最終的には、歯槽膿漏ってゆうんですけど、こんな風にぐらついて抜けてしまいますね。!(⊳〇⊲)」
唖然としたままリアルにうつされるモニターを眺めてひとしは、冷や汗をかきながら同時に刻々と過ぎる時計の数字に焦りを感じて何とも表せない精神状態となっていた。
ひとし、心の中で格闘するように膝を上げたり下げたり無意味な行動を取りながら・・・。
ひとし
「(歯ブラシだいぶ傷んでたから替えたほうがいいかな、細菌が身体中に回って死んじゃったって人この間テレビでやってたし、怖いなあ~。(>_<)これからはお菓子食べないようにしないと。て、もう10時じゃんか?なんか習字行く気力なくなっちゃったよ。さやかにも何となく会いたくないし、さぼっちゃおっかな。でも習字で書いた紙持って帰らないと行った証拠がなくて母さんにまたしかられるかもしれないし困った・・・。((+_+))」
神山、ひとしの事情など知らずに・・・。
神山
「一度失った歯は永久歯ですと二度と生えて来ないのでそれは自業自得というかしょうがないですね、残念ですけど。( ̄д ̄)今中学生でしたっけ!そうすると30才くらいか、もう少し早いと成人する頃にはほとんどの歯がボロボロになってマシュマロひとつかむ事さえできなくて入れ歯状態になっているかと思われます。( ̄д ̄)脅すつもりないですけど・・・。というか、ちゃんと話し聞いてますか!今すごく大事な話ししてるんですけど・・・。!(#⊳Д⊲)」
ひとしの不審なそわそわに神山はしっかり気づいていたみたいです。
ひとし、反応に焦って裏返った声で・・・。
ひとし
「は・・・はい、だいじょうぶです!?Σ(゚Д゚)(って、何がだいじょうぶなんだか!あっ、だいじょうぶって言ったらなんかトイレ行きたくなっちゃった。(>_<))」
神山、ひとしをまるで不思議な生き物を見るように眉をひそめて・・・。
神山
「何か、用事ですか?その時計5分くらい進んでますよ。!(⊳Д⊲)」
ひとし、焦ったままつい逆らえる雰囲気ではないように感じてしまい・・・。
ひとし
「いえ、特にないです。(>_<)(拷問だよこんなの!( ノД`)シクシク…)」
どさくさに後ろの蛇口の方で手をゆすぎにきた院長がしかられているひとしの様子を微笑ましく不気味に眼鏡を光らせるように見守っていた。
、だいぶ機嫌を損ねたような再び強い口調で・・・。
神山
「聞きたくないんだったら別に帰ってもらってもいいですからね。!(⊳Д⊲)服部さんの場合、まだ中学生で名古屋の医療制度があるので虫歯になっても簡単に治療受けられていつでも治せるからいいとか、軽々しく考えているのかもしれないですけど大間違いですからね!泣くのは自分ですよ!(#⊳Д⊲)」
ひとし、一瞬びくりと固まって言葉に詰まって別の意味で泣きそうになりながら・・・。
ひとし
「そ、そんな事!(確かに医療制度があるからただで出来るってお姉ちゃんにつられて喜んだりしたけど好きで虫歯になりたいとは思わないよ。((+_+))ああ、でもほんの少し虫歯になり放題ってどこかで思っちゃってたかも。うう・・・帰りたい!トイレ行きたい。( ノД`)シクシク…)」
神山、すかさず席を立って後ろの戸棚から歯の模型といくつか種類の歯ブラシのようなものを持ってきて再びひとしの前に戻って、横のイスへ腰かけると両腕を組むように改めて説教じみた力強い口調で・・・。
神山
「話し戻しますけど、虫歯になった歯は、身体の怪我とかと違って塗り薬とかじゃ治らないんですよ。!(⊳Д⊲)削って何かを詰め込むか替わりのものをかぶせることぐらいしか方法がないので、いかにして大切な歯を清潔に一本でも多く残せるか考えて行く事ぐらいしか!(#⊳Д⊲)」
神山、魂が抜けたようにおとなしくなったひとしにマイペースにしゃべりながら、うすい治療用の手袋を外すと丸めるように下のごみ箱に投げ入れる・・・。
神山
「永久歯なら、なおさら死ぬまで使う歯なので服部さん特に虫歯になりかけてる歯が多いので将来自分の歯で物が食べれなくなった時に困ったり泣いたりしても知りませんよという事です私が言いたいのは。( ̄д ̄)私は別に服部さんが泣いたって困らないので、痛くもかゆくもありませんし、それでも服部さんが歯を磨くのが面倒だから入れ歯になったって別に構わないよと言う事であればそれもナイスなアイディアの選択肢のひとつかと思いますけど・・・。嫌ですよね、そんなの!・・・。!(#⊳Д⊲)」
ひとし、完全に魂を言葉のムチで滅多打ちにされたように押されて何も言い返せず、同時にだいぶ尿意が収まりかけてきたのをほっと感じながら小声で・・・。
ひとし
「はい、嫌っス!(-_-)」
10時を大幅に回っても熱血な神山さんのありがたいトークはまだまだ続きそうです。(;´д`)トホホ
作品名:それでも太陽は赤く染まる!第18回「歯科検診の焦りと憂鬱!」 作家名:ワタリドリ